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キユーピーアヲハタニュース

2014/12/5 No.55

★学会発表

<卵白リゾチームの新たな可能性>

加熱変性リゾチームによる
ノロウイルス不活化とメカニズムの研究

12月5日(金) 日本食品衛生学会で発表
 キユーピーは、卵白リゾチームの新たな可能性を探る中で、東京海洋大学との共同研究により、加熱変性リゾチームのマウスノロウイルス(MNV-1)(※1)に対する高い不活化効果と、そのメカニズムに関する試験結果を確認しました。この研究について、第108回日本食品衛生学会学術講演会(会場:金沢歌劇座〜石川県金沢市〜/期間:12月3-6日)にて発表します。
※1 ヒトノロウイルスの代替ウイルス。細胞培養の方法が確立されていないヒトウイルスの代替ウイルスとして実験等に用いられる。遺伝学的にヒトノロウイルスに類似している。
 ノロウイルスは非細菌性急性胃腸炎や食中毒を引き起こす感染性微生物です。環境中での生存性が高い上に、わずか10〜100粒子ほどで感染するほど強い感染力を持つため、日本では冬場に大流行を引き起こし社会問題となっています。

 国内の鶏卵生産量の約10%を使用するキユーピーでは、鶏卵成分の機能性に着目した研究を30年以上前から進めています。抗ノロウイルスの可能性については、第35回日本食品微生物学会学術総会(2014年9月18-19日開催)において、加熱変性処理した卵白リゾチームがMNV-1に対して高い不活化効果を示すことを既に発表しています(東京海洋大学との共同研究)。

【ウイルス粒子の透過型電子顕微鏡写真】(左)MNV-1溶液(未処理)/(右)加熱変性リゾチーム溶液にMNV-1を1分間暴露  今回の発表内容は、加熱変性リゾチームがMNV-1を不活化するメカニズムに関する研究結果です。透過型電子顕微鏡を用いてウイルス粒子を観察したところ、加熱変性処理した1%リゾチーム溶液にさらしたMNV-1は、粒子サイズが膨張していることが分かりました。また、遺伝子を増幅させることでウイルス粒子数を算出する実験を行ったところ、検出限界以下となり、ウイルスの遺伝子を包み込む殻(キャプシド)の破壊が示唆されました。これらの結果から、加熱変性リゾチームがMNV-1を不活化するメカニズムが判明し、遺伝学的に類似するヒトノロウイルスも不活化する可能性が高いことが示唆されました。

 キユーピーは、加熱変性処理したリゾチームを「ノロクリア プロテイン」と名付け、アルコール製剤等の衛生用品への応用を進めています。今後も、広く社会に求められる機能性素材の研究を進めていきます。

【研究内容の概略】
 加熱変性リゾチームとの接触により、ウイルスが死滅していることを確認するため、(試験1)では細胞培養法を、(試験2)では遺伝子定量法を用いてウイルス粒子数を測定した。
(試験1) リゾチーム溶液を100℃-40分の条件で加熱変性処理し、濃度が1%になるよう、マウスノロウイルス(MNV-1)溶液と混和する。1分間静置したのち、感染価を測定した。 【図表1】加熱変性リゾチームはMNV-1に高い不活化効果を示している。
(結果1) 感染価が低下した。【図表①】 これにより、MNV-1の不活化効果が示された。
別の試験で、加熱温度・加熱時間・濃度の違いによる不活化効果を測定したところ、100℃-40分、濃度1%の条件で変性したリゾチームに高い不活化効果が得られている。



(試験2) リゾチーム溶液を100℃-40分の条件で加熱変性処理し、濃度が1%になるよう、マウスノロウイルス(MNV-1)溶液と混和する。1分間静置したのち、Real-time PCRを用いてウイルス粒子数を算出した。 【図表2】加熱変性リゾチームにより、MNV-1遺伝子は検出限界以下となり、キャプシドの破壊も示唆された。(検出限界=3000/ml)
(結果2) MNV-1遺伝子が検出限界以下となった。【図表②】これにより、キャプシドの破壊が示唆された。


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