野菜から食べる|キユーピー

野菜を先に食べて肥満を防ぐ

野菜は「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」など栄養素が豊富なカラダにやさしい食材です。
健康のためには、1日350g以上の野菜を摂取することが理想的です。
また、最近では食べ方の順序を工夫し、最初に野菜を食べると肥満を防ぐことができるという研究が発表されています。
女子栄養大学 副学長 香川靖雄先生のお話をご紹介します。

 食べる順序で肥満、糖尿病を予防しましょう。

女子栄養大学 副学長 香川靖雄


 今の栄養学では、栄養素の種類と量が同じならば同じ人では同じ効果が出るというのが原則とされています。そのために食事摂取基準が厚生労働省によって決められているのです。
 しかし、時間栄養学の進歩で、食べる時刻はもちろんのこと、食べる順序や速度が健康に大きな影響を持つことが判って来ました。特に血糖値が急に増えると、高血糖による組織の損傷を避けるためにすぐにインスリンが分泌されて、血糖を脂肪に変えるのです。このため、いくらダイエットをしていても、空腹時に急いでごはんやお菓子を食べると、血糖値が急上昇して肥ってしまうのです。また、インスリンが急激に上がると、次第に膵臓の機能を弱めて、長い間に糖尿病になるのです。
 これを防ぐ方法は、血糖値をゆっくり上昇させるように、一口30回噛むなど、ゆっくり食べる方法、糖の吸収を遅くする食物繊維に富んだ食物を同時に食べる方法もありますが、大変有効なのは、野菜などをごはんよりも先に食べることです。実際に、生キャベツ60gに酢10g、サラダ油10gをかけたサラダをごはん200g(炭水化物69g、301.6kcal)の前に食べた場合と、ごはんの後に食べた場合の血糖値の上昇を10人の健康な成人(男性2人女性8人)について較べて見ましょう(1)。この被験者は平均年齢が35歳で、BMIは20.00kg/u、平均空腹時血糖は83.7mg/dl、平均空腹時インスリン値は5.2μU/dlでした(1)。図1に示すように、ごはんを先に食べたときよりも食後20〜45分の血糖値は有意に低下して、最高血糖値に到達する時間も1時間も遅くなったのです。問題のインスリン値でも、最高インスリン値に達するまで、先にごはんを摂取した場合に較べて先に野菜を食べると90分もゆっくり上昇したのです(図2)(1)。このような血糖値やインスリン値の上昇の程度を較べる方法に曲線下面積(IAUC)という方法がありますが、IAUCは、サラダをごはんの先に食べた場合はごはんの後に食べた場合よりも血糖値で39%、インスリン値でも27%も少なかったのです。 
 すでに糖尿病になってしまった方々についても詳しい研究がされています(2)。糖尿病患者の場合はごはんは150g(252kcal)でも、血糖値は217mg/dlに上がってしまいますが、生キャベツ60g等を先に摂取すれば172mg/dlと低くなり、最高値に達する時間も遅くなります。またインスリン値の増加量も減り、膵臓への負担を減らすことが出来たのです(2)。
 このように、同じ献立の食事を摂っても、食べる順序で肥満や糖尿病を防ぐことが出来るというのは大変素晴らしいことです。野菜だけを先に食べても血糖値、インスリン値の上昇を抑制することは良く知られていますが、同時に摂った油は胃の滞在時間を延長し、酢も吸収を遅らせますので、両方を含んだマヨネーズやドレッシングを野菜サラダに使うのは理にかなっているのです。食事摂取基準の計算にしたがって摂取量を決めていた従来の栄養指導法も、このような時間栄養学の応用で、覚えやすく有効な新しい指導に変わりつつあるのです。
1) 金本郁男他. 低Glycemic Index 食の摂取順序の違いが食後血糖プロファイルに及ぼす影響 糖尿病 53(2):96-101(2010)
2) 今井佐恵子他 糖尿病患者における食品の摂取順序による食後血糖上昇抑制効果。53(2):112-115(2010)

野菜から食べる

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