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開発者対談 栗原友 × 田丸省吾

楽しみ方を大きく広げる
「刺身に醤油」のアイデア

刺身で魚料理を楽しむようになっているようです。刺身といえば、醤油とわさびをつける人が多いと思います。でも、さらに刺身を楽しむために新しい選択肢があってもいいのではないかとキユーピーは考えました。

キユーピーの「さしみのたれ」は、醤油とわさびという定番から一歩踏み出す新たな試みです。新しい食べ方が、刺身の楽しみ方を大きく広げるはず。そんな思いから生まれたのが、うま辛明太マヨ味と焙煎ねりゴマ味。「さしみのたれ」のアドバイザーを担当いただいた、料理家であり、築地で鮮魚店を営む魚のプロ・栗原友さんと、キユーピーの商品開発担当・田丸省吾に「さしみのたれ」誕生の裏側について語り合ってもらいました。

PROFILE

栗原 友さん料理家・築地クリトモ商店店主

2005年から料理家としてレシピを紹介。東京・築地場外の水産会社に勤務しながら食育の講演会、料理教室、執筆など活動を広げる。現在は、「株式会社クリトモ」代表として、コンサルティングやメニュー開発などのほか、国内外のレストランへ鮮魚の卸売、輸出を行う。

PROFILE

田丸省吾キユーピー 新規市場開発室

2009年にキユーピーに入社、研究開発本部でベビーフードや介護食、調理食品の設計開発に従事し、2018年に家庭用本部に異動。青果売り場向け商品を企画・開発。2021年より精肉・鮮魚売場向け商品の企画開発を担当。キユーピーの新たなフレッシュストック事業で精肉・鮮魚部門向け商品の企画開発に携わる。

田丸

新商品の開発にあたって、栗原さんにまずご相談したのは、「刺身の新しい食べ方を教えてください」ということでした。最初は10種類ぐらいのアイデアをいただきました。

栗原さん

刺身って、実はとても手軽な食べ物じゃないですか。醤油とわさびで食べれば普通の刺身ですけど、調味料を変えることで、世界はグッと広がりますよね。ピーナッツペーストとラー油で麻辣風にしたり、レモンやライムとオリーブオイルを合わせたらセビーチェにもなるし。

田丸

そんななかから、サラダ調味料で培ったマヨネーズやゴマといったキユーピーの得意領域を活用できることと、栗原さんから「ごはんに合うほうが、みなさんに楽しんでもらいやすい」と提案いただいて、「うま辛明太マヨ味」と「焙煎ねりゴマ味」を選ばせていただきました。

栗原さん

「うま辛明太マヨ味」でポイントになっているのは、コチュジャンを使っている点です。韓国ではコチュジャンで銀ダラや太刀魚を煮付ける料理があるし、調味料としては、魚介との相性は間違いない。明太マヨとコチュジャンの組み合わせはめちゃくちゃ試しました。各調味料の味の重さや軽さ、酸味の強弱を試してたくさんの種類のなかから選んで、配合もいろいろ変えてみて。

田丸

「コチュジャンの辛みではなくうま味が魚介に合う」っておっしゃってましたね。醤油と同じようにコチュジャンも発酵食品ですから、そういう点でも間違いないですね。また、マヨソースについては、最終的には主張しすぎないマイルドなものを選びました。

栗原さん

もっとも刺身の味を活かすタイプのマヨソースになったと思います。「うま辛明太マヨ味」が合うのは、味の濃い赤身。かつおやまぐろ、あと、たこ・いか・えびもおいしい。でも、好きな魚を買ってきていろいろ試していただくのが楽しいと思いますよ。

田丸

一方の「焙煎ねりゴマ味」はシンプルな味に仕上がりましたよね。端的にいうと、ねりゴマとゴマとごま油とかつお出汁ですね。これは白身に合うたれです。

栗原さん

目指したのは、「家にある調味料でみなさんがつくったような、手作りの味」。生魚の食べ方なら、鯛をゴマだれで和えてごはんにお出汁をかける「鯛茶漬け」とか、あじを薬味と味噌と一緒に細かく包丁で叩く「なめろう」とかがおなじみですよね。これを家で簡単にできればいいなと考えたのが「焙煎ねりゴマ味」です。鯛とあじはもちろん、ぶりやカンパチ、あと光りものもいいと思いますよ!

田丸

商品化にあたって、今回は「パキッテ」*1 という容器を採用して、明太子とコチュジャンを混ぜたソースとマヨソースが分けてかけられるようにしました。通常の容器だと、明太の味や隠し味のコチュジャンがぼやけてしまうんです。これによって、フレッシュな風味を実現できたと思います。

栗原さん

「パキッテ」のおかげで理想の味が実現できたんじゃないかな。

田丸

もうひとつキユーピーでこだわったのは、ゴマの香りをどれだけ出せるかという点です。ねりゴマは粘り気が強いので香りが立ちにくいんです。それを補うのが、香りを閉じ込めるカプセルみたいな役割を果たすごま油。その両者で、ゴマの味わいと香りの両立を実現しました。

栗原さん

刺身って手間がかからず、簡単にごちそう気分が楽しめるものですから、ぜひ「さしみのたれ」をうまく活用していただいて、これまでにない味の世界を体験していただけたらいいなと思います。

*1 パキッテとは?

片手ですばやくかけられる1回使い切りの容器。個包装になっているため調味料を決まった味と量で出せ、とても便利です