ハリー杉山さんを変えたイギリス人の父のひと言と、家族の食卓

ハリー杉山さんを​変えた​イギリス人の​父の​ひと言と、​家族の​食卓

ハリー杉山さん第3回

前回はこだわりのナイトルーティンから留学していたイギリスの食事情まで幅広いトークが繰り広げられました。最終回はハリーさんのルーツである大切な家族についてお話いただきました。スーパーヒーローだったというお父様から学んだこととは?そして人生を楽しくする大事な要素だという食事の大切さについてトークは広がっていきました。

※この記事はVoicyの対談の要約です。発言の意味を変えないように配慮して、一部省略・集約をしています。詳しくはVoicyの「 みんなにうれしいGREEN KEWPIEチャンネル 」をお聴きください。

ハリー杉山

ハリー杉山

はりーすぎやま

タレント

1985年1月20日生まれ。イギリス人ジャーナリストの父と日本人の母との間に生まれる。11歳でイギリスに留学。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院で学ぶ。在学中に中国・北京への留学も経験。日本語、英語、中国語、フランス語の4カ国語を話すマルチリンガル。趣味のマラソンでは2時間56分41秒の記録を持つ。

ヒーローで​あり大親友!​イギリス人の​父から​教わった​日本の​魅力

ハリーさんにとってイギリス人のお父様は憧れの存在で大親友。日本人よりも日本人だったというお父様から教わったこととは?

前田: 今回はハリーさんの大切なご家族の話を聞いていけたらと思います。やっぱりお父様の話はすごく聞きたかったです。

ハリー: 父親が日本に来たのは1964年。最初の東京オリンピックの年でした。僕が生まれたのが1985年なんです。父が日本に来た21年後で、パパになったのが46歳の時だったんですけども、2年前(2022年)に亡くなるまで、常に僕にどんなことがあっても寄り添ってくれた。家族のスーパーヒーローでありながら、一番の大親友みたいな人でした。僕は左手に父親の結婚指輪をはめていて、常に彼の魂を感じながら、毎日頑張ろうと、そして楽しもうとしています。

前田: お父様の指輪だったんですね。すごくきれいに光っています。お父様は、イギリス人ジャーナリストとして来日されて、その後生涯日本で働き、ニューヨークタイムズの日本支局長などもされていたということですね。

ハリー: そうですね。気がついたら日本人以上に日本人になっていて、日本の文化、人々、歴史をこよなく愛し、その魅力を世界へと50年ぐらいずっと伝えてきた人でしたね。

前田: 普段の生活からも、日本を愛している様子っていうのは伝わってきましたか?

ハリー: はい。日本の何が好きかっていうと、職人や人々の細部へのこだわりでしたね。例えば僕は、江戸切子のような職人さんたちの技、それこそランニング大好きですから、日本のシューズメーカーの方々の(ランニング)シューズに対しての想いっていうのを直接聞くのが大好きなんですが、父親は食文化から歴史、服、城に対してのディテールへの追求、探究心が日本文化の魅力の一つだと、子どもの時から聞かされていたので。文学も三島由紀夫さんとは濃密なお付き合いをしていて、外国人としてはかなり深いところまで、日本文化に身を投じることができたんじゃないですかね。

前田: 家庭の父としてはどんな方だったんですか?

ハリー: 本当に大親友ですよ。仕事が忙しいですよね、ジャーナリストだと。24時間、48時間続けて働くことも当時はありました。だけどどれだけ忙しくても僕が父親にボールを蹴りに行きたいんだよねと言ったら、「わかった。Let’s go!」って言って 近くの公園に行ったりとかして、その時間を必ず僕に与えてくれたので。お父さんのことを英語だとだいたい、DaddyとかFatherとか呼んだりするんですけど、僕は彼を気がついたら、ファーストネームで呼んでいたんですよ。普通にヘンリーって。

前田: 距離が近い感じがしますね。

ハリー杉山

ヘンリーみたいなかっこいい大人になりたい!と思っています

コミュニケーションの​場だった​ハリー家の​食卓

忙しく働くジャーナリストだったお父様も家族で食卓を囲むことをとても大事にしていたといいます。幼い頃の食卓を思い返しながら、人生をどう生きるか?についての話に。

前田: ハリーさんのお宅の食卓の風景ってどんな感じでしたか?

ハリー: 父親もできるだけ、朝と夜は家族全員集合するようにしていて。母親がいて、日本人のおばあちゃん、そして父親、私の4人と、当時は猫が3匹いたんですけどみんな食卓に大集合するっていう。料理は母親とおばあちゃんが一緒に作ったりしていたので、和食が多かったんですよね。おひたしとか納豆も出てきましたし、お味噌汁も赤だしがきいていたり。お正月はおせちも自分たちで作っていた日々が、僕にとっては楽しくて楽しくて。

前田: 一般的に日本で働くお父さんって忙しすぎて、子どもが寝てから帰ってくるような方もいらっしゃるのかなって思うんですけど、ちゃんと夕飯の時間にいらっしゃったんですね。

ハリー: できるだけそこは確保しようとしていましたね。あとは夕飯とともに1日何があったかを報告をするっていうプロセスがあったので。報告の仕方とか、できるだけ簡潔に物事をまとめたりとか。

前田: 報告の仕方?

ハリー: 外国人ジャーナリストが集まって記者会見をする場所があったんですけど、そこに父親は、当時5、6歳だった僕を連れて行ったんですよ。「ハリー、あなたはこの部屋に入った以上、フリーランスのジャーナリストなんだから、聞きたいこと聞きなさい」って。いやいや、ちょっと待ってください。日本を代表する首相や、海外から来るVIPたちに、5、6歳の男の子が張り詰めた空気の中で質問なんて、できるわけないじゃないですか。でも父親は自分から手を挙げて、ちょっと隣のジェントルマン(僕のこと)が質問があるそうなんでって言って(笑)。人に質問する理由、聞き方、どういう質問が相手の心を揺さぶるのかっていうのを、全部その場で父親に教えてもらいましたね。

前田: そういうお父さんの仕事場での様子も見ることができたのも大きいですよね。

ハリー: そうなんですよ。それがかっこよくて。僕は子どもの時から決めていました。父親みたいな人間になる。尊敬されて自分の言葉をきれいに、ペンだけではなく、自分の口からも伝えられるようなかっこいい男になりたいなと思っていて。

前田: 本当にスーパーヒーローだったんですね。

ハリー: そうですね。でもいくら頑張っても親父にはなれないって分かりましたし、教えてくれました。自分のストロングポイントをどんどん伸ばすべきだから、書くこともいいけれど、テレビの前での自己表現というのを極めなさいと。2014年におそらく最後だと思って父とイギリスの故郷に帰った時に、思いっきり勇気を振り絞って聞いてみたんですよ。「親父って、俺に何してほしいの?」って。“What do you want me to do with my life?”って。彼は、“I just want you to do whatever you want to do in your life.”「自分が人生でやりたいことをやってほしい。それだけが父親としての望みだ」って言われた瞬間に、僕はもうとことん人生を、自分なりに楽しむべきなんだなって。 そこでなんか自分の中で腑に落ちました。

前田: (その言葉があって)ハリーさんはハリーさんのお仕事をされて、自分らしく自己実現をしていくっていうところに辿り着いたんですね。

ハリー: ラジオでお話したりコラムを書いたりすることも、ある意味ジャーナリストじゃないですか。気がついたら親父に近づいているんじゃないかなって思ったり。

前田有紀

自分らしい形でお父様に近づいていくって理想的な形ですね

明日の​ために​卵を​使わないかきたま​風うどん

ゲストのためにGREEN KEWPIEを使った料理を食べていただく「みんなにうれしいGREEN KEWPIEレシピ」のコーナー。ハリーさんへの3皿目は「HOBOTAMA 加熱用液卵風」を使ったかきたま風うどんです。うどんをすすりながら話題は好きな実家の味についてに。

前田: 和食中心で育ったハリーさんのために、和のメニューをお作りしました。題して、『明日のために卵を使わないかきたま風うどん』です。

ハリー: うどん大好きなんですよ。消化がめちゃくちゃいいので、走るトレーニングの前にうどんを食べると、大体2、3時間以内だったら、しっかり消化できるので、トレーニング集中しやすい。体に優しい。最高です。

前田: ぜひトレーニング前にも食べていただきたいんですが、このレシピはですね、おつゆには煮干しと昆布が入ってまして、それでだしをとって、そこにGREEN KEWPIEの「HOBOTAMA 加熱用液卵風」を流し込んだものなんです。

ハリー: これが噂のHOBOTAMAなんですね。

前田: はい、噂のHOBOTAMAなんです。食感も含めてぜひ感じていただければと思うので、どうぞお召し上がりください。

ハリー: ビジュアル的に完全に卵みたいじゃないですか。すごいね。うわー優しい。このふわふわ感、そしてビジュアル。これがHOBOTAMAなんですね。

前田: そうなんですよ。つゆは片栗粉を混ぜてあんかけにして、ふわふわのHOBOATAMAが沈まないようにしてるんです。

ハリー: HOBOTAMAがちゃんと Say Hello!していますよ。またこのだしもおいしいですね。優しい味。あーもう、腸内環境が感謝を込めてね、ありがとう、ありがとうってね、声を上げておりますよ。

前田: 走る前にこれを食べたら本当に消化も良さそうだしいいですよね。ハリーさんは和食が結構好きで、昔からおうちの料理も和食中心だったってことなんですけど、その時のことをもう少し聞かせてもらっていいですか?

ハリー: 佃煮とかめちゃめちゃ好きでしたね。王道ですけども、出汁巻き卵であったり、味噌汁も日によっていろいろと変化球を入れてくれたりするんです。僕が飽きないようにですね、いろいろと工夫してくれて。日本文化、日本の世界に誇ることができる食文化の基礎中の基礎を、僕の家で学んだような気がします。これがおいしい、どうおいしいと、おばあちゃんに伝えるとニコッとする。あの笑顔は今でも忘れられないですね。

前田: 逆に留学中は日本食が恋しくなったりすることありましたか?

ハリー: 恋しかったですよ。前田さんはご存知かもしれないですけども、一応買える場所はあるんですけど。

前田: ちょっと高いですよね。

ハリー: なかなかアグレッシブな値段なんですよね。大体ピカデリーサーカスのあたりにあるね。

前田: そうそう!行きました私も。

ハリー: 僕もよく海苔とか醤油を買いに行ったんですよ。ただ今すごいのがね、イギリスのレストランって結構置いてあるんですよ。普通にテーブルにお醤油があるし、あと間違っていたらごめんなさいだけど、例えば「EDAMAME(枝豆)」っていう言葉がイギリスの辞書にも入ってきているんですよ。Concise Oxford English Dictionaryという辞典があるんですけど、そこに次から次へと「日本食の顔」がチラリホラリ見えるようになってきてるんです。

前田: どんどん世界に羽ばたいていってるんですね。

ハリー: 僕は家庭の食卓で、お父さん、おばあちゃん、ママみんな集まって会話する中で、おいしいごはんを作ってくださる方に対して、何が具体的にどうおいしいのかって伝えることがものすごく重要っていうことを子どもの時から学んだので、今もレストランに行ってシェフに対しても、「めっちゃおいしかったです」と伝えたくなりますけどね。

前田: うん。やっぱり食が人を作っていくっていうところはありますよね。

ハリー: 基本的に人間って食べないと生きることができないじゃないですか。おいしいごはんを食べるとその日が明るくなるし、 仕事ともちゃんと向き合うことができるし、単純により人生を楽しめると思うんですよ。おいしいごはんを食べていたら、明日も頑張れるなっていう気がしますね。

前田: やっぱり食事の時間っていうのを 大切にしたいですね。

ハリー杉山

僕は家庭の食卓で大切なことを学んだ気がします。

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前田有紀
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