
何でも手作りは母ゆずり。母から子へ受け継ぎたい味とは?
一家の料理長として毎日料理と向き合う長澤さん。日々の食事はもちろん、おやつや補食に至るまで手作りが基本なのだそうですが、それは何でも手作りで料理してくれたお母様の影響だとか。
前田: 今回は日々の料理についてからうかがっていきたいのですが、料理のことをいつも考えているとお話しいただきましたが、もともと料理はお好きなんですか?
長澤: 毎日作らなくてはいけないので、今は好きというよりやらなきゃいけないことになっていますけど、割と子どもの頃からお手伝いして料理やお菓子を作っている環境だったので、(料理は)好きな方だと思います。
前田: お母様がお料理お好きだったんですか?
長澤: そうなんですよね。何でも手作りしてくれる母で、誕生日のケーキはもちろん、手作りパンだったりを出してくれていました。母は栄養士の短大を卒業していて、栄養面や料理に詳しかったので、手作りのごはんはとてもおいしかったと思います。
前田: そうなんですね。何でも手作りしてくれてて、それをお手伝いしていくうちに自然とそのやり方が身についていったんですね。
長澤: そうですね。カレーの隠し味とかも母が作っているのを見て、あ、こういうのを入れているんだと思ったのが高校生ぐらいの時だったので、成長とともに料理というものを教えてもらった感じです。
前田: 忘れられない実家の味ってどんなものですか?
長澤: 実家というか、おばあちゃんの味になってしまうんですけど、ぬか漬けですかね。
前田: じゃあ、ぬか床がおばあちゃんのお家にはあったんですね。
長澤: そう。いつも(ぬか床を)かき混ぜていて、食卓には必ず(ぬか漬けが)出ていて。そのぬか床を母親ももらってやってたんですね。祖母が亡くなった時に私もぬか床を分けてもらってがんばってやっていたんですけど、なかなか同じ味にならないというか、おいしくないんですよね。手の菌の違いなのか分からないんですけど。いただいたぬか床はダメにしてしまったんですけど、また今自分でもぬか床をやってお野菜をいっぱい漬けておばあちゃんのようなおいしいぬか漬けを作れるようにがんばってます。
前田: 思い出の味に近づけるように、日々ぬか床と向き合っていらっしゃるんですね。おばあ様、お母様、ご自分、そしてお子さんたちに受け継いでいけるものがあるって素敵ですね。
長澤: そうですね。いつか受け継いでくれたらいいんですけど。なんか子どもの方が嗅覚とか味覚って強いっていうじゃないですか。
前田: うん、なんか敏感ですよね。
長澤: そう、敏感なので、ぬか床混ぜて〜ってお手伝いをお願いすると、いつも鼻をつまんでくさーい!って言いながらやっているので(笑)。
前田: かわいい。
長澤: いつかちゃんとこの味や匂いがいいなって思ってもらえるまで続けたいなって思っています。
前田: ぬか漬けといえば、発酵食品で世間的にも再注目されていますが、長澤さんのお家では、ぬか漬けをはじめとした発酵食品がブームだと聞きました。
長澤: はい、そうなんです!ぬか漬けは小さい頃からやっているんですけど、最近は発酵調味料を米麹で作っています。
前田: どんなものを作ってるんですか?
長澤: 今は、塩麹、しょうゆ麹、中華麹、焼肉のたれ麹、玉ねぎ麹とカレー麹。
前田: えぇ⁉︎ちょっと聞いたことないようなものもありました。作れるんですか?
長澤: 作れるんです!最初の準備だけちょっと面倒くさいですけど、揃っちゃえば、米麹と発酵させちゃえば完成するので。瓶にいっぱいためて、今日は何麹でお肉の味付けしようかな?みたいな感じです。すごく便利なのでぜひやってください!
前田: えぇ⁉︎簡単ですか?
長澤: 簡単です!
前田: そうなんですね!塩麹も買うことはあっても、自分で作れるっていうのは知らなくて。
長澤: すぐ作れちゃうんで、ぜひやってみてください。
前田: 発酵調味料を使ってどんな料理をされてるんですか?
長澤: お肉の下味はもちろんですけど、カレー麹があればすぐカレーができちゃうんですよ。ルーを使わなくてもそれで十分なカレーができちゃうので楽ですよ。お魚でもお肉でも何でも(発酵調味料に)漬けちゃえばいいし、最近ではラーメンのおつゆを中華麹で作って子どもたちに出してます。
前田: ラーメンのつゆも手作りされてるんですね。難しそうなイメージがありますが。
長澤: 鶏ガラとかいろんなものを煮込んでっていう(イメージだと)思うんですが、中華麹があればそれだけでできちゃうんですよ。
前田: あとでレシピ教えてください!
長澤: OKです!それなら子どもが(スープを)飲み干しても、身体にいいもので作っているからいいよって。親の満足ですけどね。
前田: でも、自分が見て作ったもので出来上がってるわけですから安心感はありますよね。じゃあお子さんたちも発酵調味料をよく食べてらっしゃるってことですよね?
長澤: そうです。知らず知らずのうちにそういうもの(発酵調味料)で食事は摂っています。
前田: お子さんが小さい頃からですか?
長澤: そうですね。次男坊に関しては、離乳食から発酵食品を使っていて。ヨーグルトに甘麹で味付けをしたりとか、そういうので与えていました。

わが家の腸内環境はバッチリだと思います!

家族みんなで!ぬか漬けタルタルで食べるチキン南蛮
ゲストにGREEN KEWPIEを使った料理を食べていただく「みんなにうれしいGREEN KEWPIEレシピ」のコーナー。今回は長澤家の大切な味、ぬか漬けをお子さんたちも食べられて、ボリュームたっぷりのおかずを考えました。
前田: 題して、『家族みんなで!ぬか漬けタルタルで食べるチキン南蛮』です。
長澤: わぁ、すごい、おいしそう!ぬか漬けなんですね?
前田: そうなんです!ぬか漬けタルタル、楽しみですよね。こちらは「植物生まれのマヨネーズタイプ」にきゅうりのぬか漬けを刻んで混ぜてぬか漬けのタルタルソースにしてみました。ソースの中にはゆで卵の代わりに「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」を使っています。では、食べてみましょう。
長澤: いただきまーす!見た目は完全にタルタルソースですね。おいしい!ちゃんとぬか漬けの食感があってアクセントになっていいですね。
前田: そうですね!このちょっと酸っぱい感じがすごく合ってますよね。この卵に見えるのが「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」なんですけど、ふんわりしていてソースの中でも少しアクセントになっていますよね。
長澤: すごい。これはいいですね、おいしい!
前田: お子さんたちは運動もされていると、たんぱく質もたくさん摂っていくのかなと思うんですけど、これだったら本当にたくさんお肉も食べられそうですね。
長澤: いいですね。ボリュームもあるので量も食べられるし、お腹いっぱいになりますよね。

シャキシャキした食感がクセになりますね

卵アレルギーの長男も食べられるし好きな味。作ってみます!
前田: 食卓の中でのルールってどんなものがありますか?
長澤: 決めているわけではないんですけど、夜は仕事や習い事で食事の時間がバラバラなので、朝ごはんぐらいは、みんな揃って食べようよっていう感じです。
前田: 何時ぐらいが朝ごはんのスタート時間なんですか?
長澤: 朝ごはんは6時半です。6時半にみんな揃ってごはんを食べられるようにしています。長男は5時半ぐらいに起きて朝からパパとサッカーをしてごはんを食べる感じですね。長女はギリギリまで寝ていて寝起きで食べるって感じで。
前田: 長澤さんはごはんの支度とその前にヨガもされているんですよね。何時に起きてらっしゃるんですか?
長澤: だいたい4時45分に起きて、1人時間でヨガをして、白湯を飲んでから朝食を作り出してって感じですね。
前田: 朝ごはんのメニューはどんな感じなんですか?
長澤: うちの子どもたちは好きなものが違うので、主人、長男、次男にはおにぎりやごはんを出すことが多いんですけど、長女はパン派なので、長女だけにはいつもパンを出してます。
前田: 朝からメニューが(それぞれ)違うんですね。
長澤: 大変なんですけど、朝ごはんって1日のスタートじゃないですか。そこを本当はパンが食べたかったのに、何でおにぎりなの?嫌だ!みたいに、嫌な気持ちでスタートしてほしくなくて。なので、朝は好きなものを食べさせて元気に学校行ってほしいなと思ってやってます。面倒くさいんですけど、やっちゃえば(みんな)機嫌がいいので。
前田: その食卓では結構会話も弾みますか?
長澤: みんなでごはんを食べている時はお話をしようと心がけているので、夕ごはんの時には学校であったことを聞くようにしているし、朝ごはんの時は(その日の)スケジュールを確認して、何する?どうする?今日の夜ごはん何食べたい?なんて聞いたりしながら会話を大事にしています。
前田: わが家も(食卓での)会話を大事にしたいって目指しているんですけど、どうしても時間が気になってしまって、「早くして」って言っちゃうんですよ。
長澤: そうですよね。
前田: 大人が少し早く起きて準備しておけば自分たちにも余裕が生まれるはずですよね。
長澤: 心の余裕って子どもにも伝わるんですよね。お母さんがイライラしていると、お母さん今怒っているでしょ。どうせ早く食べろって思ってるんでしょ?って言われちゃうので、私は逆算して(早く)起きるようになりました。

「早くして!」とか言わなくなりました

えぇ!すごい。見習いたいです

食べられるって幸福!
前田: おばあ様のぬか漬けのお話から始まり、朝ごはんを家族みんなで食べることだったり、家族での食事って大切だなと思いました。最後に、長澤さんが考える家族にとってうれしい食事ってどんなものですか?
長澤: おいしいごはんを食べられるって幸せなことだと思うんですよね。食べられるって幸福。具合が悪かったり、体調が良くないと食事が摂れなかったり。やっぱり元気じゃないと食べようっていう気にもならないじゃないですか。だから、家族みんなが元気でおいしい食事を食べられるということが一番うれしいです。
前田: お子さんが体調崩されることもありますよね。
長澤: ありますね。そうすると、代わってあげたい!って思うじゃないですか、親は。こっちは食べられるのに、(子どもが)がまんしている姿を見ると本当に辛そうで。長男がこの間のどの手術をしたんですけど、固いものとかが食べられなくって。やっと、自分の好きなごはんを食べられた時に、「あぁ、幸せだ!」と言っていて。本当にこういうことだなって。好きなものを食べられるって幸せだなって家族みんなで噛み締めたので、その気持ちを大事にこれからも食事をしていきたいと思います。

食を通じて家族と共感し合えるのも素敵ですね

これからも家族の食卓を大事にしていきたいです
麹をこんなに自然な形で食事に取り入れられるんですね!