宿泊客増加を狙ったホテルの朝食企画の打ち出し方法

近年ホテルを選ぶ際に、朝食を重視する人が増加しています。行きたい観光地から休暇の旅先を選ぶのではなく、先に泊まりたいホテルを決めて、そのホテルのある場所の観光地を探す、といった旅行の仕方をする人もいるほどです。朝食でお客様の印象に残るホテルには、どんな特徴があるのでしょうか。

朝食日本一のホテルとは

「食」は宿泊先を決めるためのポイントのひとつです。美味しい料理が出てくるか、その土地の食材を使った郷土料理レストランがあるかを気にしながら、宿泊先を選んでいるお客様もいる事でしょう。また、インターネットの口コミサイトの発達により、様々な視点からホテルを評価する動きがあります。その評価基準の一つが朝食です。美味しい朝食というと、有名ラグジュアリ―ホテルを想像しがちですが、実は日本一美味しい朝食という評価を得ているのはビジネスホテルなのです。

朝食が日本一と口コミで評価されているのは神戸にある「ホテルピエナ神戸」です。旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」による「行ってよかった!朝食のおいしいホテルランキング」で2013年から4年連続1位に選ばれ、週末には朝食会場に30分~1時間待ちの行列が出来るほどの人気となっています。

人気の秘密はブッフェの豊富さです。神戸のイメージにぴったりな洋食メニュー、地元兵庫県の素材を使った和食、フランスから取り寄せた生地を使った焼きたてクロワッサンといった食事だけでなく、こだわりのコーヒー、紅茶、そして自家製のヨーグルトドリンクやグリーンスムージなど飲み物も充実しています。さらに人気なのは、パティシエが作るケーキなど、スイーツが食べ放題な点。観光で神戸を訪れる人は、朝から神戸の食事を満喫できるのです。

ブッフェの価格は税別2,200円。また、通常のビジネスホテルの朝食平均価格811円に比べると高価格ですがお客様の満足度を上げる事に貢献しています。また、ホテルピエナ神戸の宿泊価格が平日素泊まりで6,000円程度、週末は11,000円程度である事を考えると、かなり客単価を上げる事に成功しています。

北海道の人気朝食ホテル

同じくトリップアドバイザーの朝食ランキングで2011年、2012年に1位に輝いたのは北海道にある「ラビスタ函館ベイ」です。地元の食材をふんだんに使ったメニューが60品ほど準備されたブッフェのなかでも、とくに人気なのがセルフの海鮮丼。まるで市場で見るような山に盛られたいくら、甘海老、ホタテ、マグロなどを自分で好きなだけ乗せて海鮮丼を作ることができます。ホテルの公式HPにも動画でこの海鮮丼が見られるので、動画からでもその海鮮丼の魅力を感じられることでしょう。
さらに、朝食ブッフェには珍しく会場に炉端があり、海鮮が炙られています。いい香りが朝食会場に広がり、お客様が室内にいながらも北海道を感じられるよう、演出づくりの工夫が感じられます。

なお、この「朝食を重視」してホテルを選ぶことは、日本国内だけでなく世界の観光地でも同様の傾向があります。インバウンドが増加している日本でも参考になるトレンドといえるかもしれません。

魅力ある朝食空間を創りだすために

ホテル業は旅行・観光業と密接な関係にあるため、景気に左右されやすい業態です。しかし、先に挙げた「ホテルピエナ神戸」のように特徴を際立たせることができれば、人気ホテルになることも出来るでしょう。魅力的な朝食に必要な要素をご紹介します。

看板メニューを作る

ホテルピエナ神戸のスイーツ、ラビスタ函館ベイの海鮮丼など、一番人気でお客様の話題になる特徴的なメニューを作る。

温度管理を徹底する

ブッフェの問題点の一つは料理が冷めてしまうこと。ウォーマーを使って温かさを保持するのが基本です。反対に冷たい料理は氷などを使って冷たいままお客様の所に届くように注意しましょう。

料理の見た目

残り少なくなった料理がずっと残っていると華やかな印象を損ねてしまいます。また、手つかずで残った料理はどんどん乾燥していくので、人気がなくなったプレートはたとえ残っていても片づけましょう。

料理の補充は頻繁に

料理が少ないとお客様に寂しい印象を与えてしまいます。プレートが空いてしまうことがないように頻繁に補充しましょう。サービス担当者がインカムをつけて、料理の減り具合などを随時キッチンに報告することができれば、スムーズに補充も進むでしょう。また、多種多様な業務用食品や調味料を利用することで、調理にかかる時間を短縮するのも効果的です。

テーブルはいつも清潔に

料理を取る時に、どうしてもこぼれてしまう場合があります。トングで挟むサラダやレードルからこぼれやすいスープまわりは頻繁に拭いて清潔に保ちましょう。とくに、ドレッシングは要注意。布巾を添えておくのもよいでしょう。

料理の説明をPOPで

料理の特徴や素材のアピールなどをPOPにして添えておきましょう。人気NO.1!といった内容なら、お客様も選びやすくなります。また、アレルギー表示があるとさらに選びやすくなるでしょう。


まとめ

旅先で美味しい朝食を食べられると、一日を楽しく始められるだけでなく、ホテルやその地域に対して良い印象を持つことにもつながります。お客様の期待以上のものを提供することができれば、朝食の充実したホテル、という印象を与えられるでしょう。
そのためには、単に費用のかかる豪華な食材を使うといったことではなく、厨房とサービススタッフが協力して、活気のある朝食会場を創りだすことが第一歩となるでしょう。

2017/04/20時点