インバウンドにフォーカスしたパン開発|
訪日客の増加とシーズンの波にのる

近年、日本に来る訪日外国人が増えていることは、多くのメディアでも取り上げられています。今まで人気だった富士山、京都などの有名観光地に加え、地方都市にも訪日外国人の姿が見られるようになりました。東京オリンピックを控え、増え続ける訪日外国人にフォーカスした商品開発は集客数アップに寄与することが期待されています。

増え続ける訪日外国人

2001年には477万人であった訪日客が、2016年には2,404万人と4~5倍近くにも跳ね上がっています。(出所:法務省資料「年別 訪日外客数, 出国日本人数の推移」より)政府はさらに訪日外国人を2020年には4,000万人、2030年には6,000万人に増やす目標を掲げています。

訪日外国人が増えることで注目したいのが、旅行中に使うお金です。2016年の訪日外国人旅行消費額は、前年2015年比7.8%増の3兆7,476億円と過去最高を更新、今後も増加する見通しです。

このように訪日外国人をターゲットとするマーケティングに特化しても、十分採算にあう時代が到来しつつある中、パン屋はどのような商品やサービスを提供することが効果的なのでしょうか。

訪日外国人をターゲットとした成功事例

温泉地のパン屋さんの成功例についてご紹介します。一見普通のパン屋さんで、パンの品ぞろえについても特別な名物があるわけではありませんでした。しかし、綺麗でおしゃれな外観内装、テラス席に加えて、温泉地ならではの足湯を設置したところ、外国人も列をなす人気店となっています。欧米を中心に、パンは主食として世界中で親しまれている背景もあり、足湯というアミューズメントと融合することで、成功した事例です。

このように観光地ならではの環境を生かすことで、世界中にある「パン屋」であっても「日本のこのパン屋にぜひ行きたい」と感じる演出が可能になります。インバウンドにフォーカスしたパン屋を創り上げる上で、外国人のイメージする「日本」の雰囲気を楽しめることは大きな強みとなるでしょう。

日本ならではの商品開発

外見やアミューズメント以外でも、外国人の興味をそそる演出は可能です。日本に来る外国人の多くは「日本らしさ」を求めています。そこで「日本らしさ」を前面に押し出した商品を開発することで、訪日外国人の集客を狙います。

訪日外国人の数は、夏季がピークで次いで桜の季節、紅葉の季節となっています。日本の桜は海外でも広く知られており、紅葉に関しても認知が広がりつつあります。このような日本の美しい四季をテーマにパンを開発してみてはいかがでしょうか。

例えば、桜の季節には「サクラパン」、梅雨の季節には「カエルパン」、夏には「スイカパン」、秋は「紅葉パン」、冬は「雪だるまパン」など、どれも見た目を似せて作ります。そして、本物の桜や木の実などを入れたり、日本の野菜や抹茶で色付け、中に入れるあんに季節の食材を使う等の工夫を加えます。

日本の「kawaii」文化は世界中のファンに支持されており、食材の日本らしさに加えて、日本ならではの可愛らしいパンは他国のパン屋と差別化を図ることができるでしょう。外国人を可愛いパンの見た目で惹きつけることができたら、日本独自のメロンパンやあんパン、カレーパンなどの惣菜パンにも目が行くはずです。日本のパンを知ってもらうきっかけとして、話題性があるパンの開発は効果的でしょう。

外国人向けにフォーカスし、オリジナルなパン開発することは一つの売上の柱となるかもしれません。

SNSを意識した集客アップ

SNSの情報・口コミ・写真は今やその国のことを知れる大きな情報源です。InstagramやFacebookはインパクトのある演出やパンの写真を、世界中の人に知ってもらう絶好のツールです。ヒットすれば世界各国何百万人という人々が目にするでしょう。

また、最近は旅行サイトよりもtripadviserが世界中の観光客には欠かせないツールとなっています。施設・レストラン・観光名所などを基本情報以外全て、口コミで構成されており、評判の良いお店は一躍脚光を浴びます。日本人の中では有名でなくても、訪日外国人には人気を博しているというお店や観光名所も存在します。

さらにSNS拡散、口コミを増やす方法のひとつに「体験」を取り入れてみてはいかがでしょうか。日本ならではのパンを作る工程を一緒に体験してもらえば、思い出に自然と写真を取られる方も増えます。

これらのツールを組み合わせることで掛け算式に効果が期待できる場合もあるので、SNSを使い、海外へ情報の直接発信も検討してみましょう。オリジナリティー、日本らしさ、SNS映えが揃ったパンを開発しておけば、世界的に拡散される可能性もあるのです。

おもてなしの接客とは

せっかく見た目も質も日本らしく、良質なパンを作っても接客に難があればtripadviserなどの口コミ評価を下げてしまいます。おもてなしの仕方は国によって違いますが、万国共通のマナーもある程度把握しておく必要があります。

海外では「いらっしゃいませ」に適する表現が存在せずHelloやGoodmorningなど挨拶から入ります。日本語で「いらっしゃいませ」言った後、英語で一言付け加えておくと、おもてなしの気持ちが伝わりやすくなるでしょう。

また、海外のお店に入る時に不安なのは言語に関してです。店内は、商品についてなど全て英語やその地域に多く訪れる外国人の母国語の説明書きを添えます。店外には英語や他言語の表示がある旨を貼り出しておくと、入店しやすくなります。日本のパン屋さんのセルフ方式を知らない外国人のために、店内でのルール板などを貼り出しておくのもよいでしょう。


まとめ

東京オリンピックを控え、拡大が見込まれるインバウンド市場は、観光産業だけにとどまりません。訪日外国人向けにフォーカスしたオリジナルなパン開発で、拡大市場を捉えることは知名度向上、ブランディングにも有効です。

また、日本の強みを生かしつつ訪日外国人へのおもてなしをするには、訪日外国人のこと、世界のことを学ばなければいけません。簡単なやり取りを英語で出来るようにしておくのもよいでしょう。日本とのマナーとの違いについても、スタッフに教育していく必要もあります。

国際化が浸透してきた昨今、外国人が行列するお店、目指してみませんか。

2017/11/06時点