介護食への想い

口から食べる、
をあきらめない

年齢を重ねていくと、食べものを噛む力や飲み込む力が自然と弱くなっていきます。 そして口から食べることが難しくなると、かつては点滴などで栄養を摂らざるを得ませんでした。
けれど、本当にそうするしかないのだろうか、とキユーピーは常に考えていました。

口から食べるという当たり前のことができなくなるのは、本人にとって辛いのはもちろん、支える家族にとっても、もどかしさや苦悩を伴います。
また、栄養は摂るだけではなく、その摂り方も大切。口や腸をつかうことが健康につながるのです。からだにも影響を与えるといいます。


食のよろこびを
かんたんにあきらめたくない、あきらめさせたくない

「通常の食事から、点滴などで栄養を摂ることへの変化は大きい。その中間にあるような食事はつくれないだろうか」。
当時の食をとりまく環境への想いからキユーピーの新たな商品開発が始まりました。

「介護食」が生まれる

「高齢の方によろこばれる商品をつくろう」

食べる人のことを考えていくと、自然と、食事を用意する人のことも考えるようになりました。誰にとってもやさしい食事であることを目指し、キユーピーはそれらの商品を「介護食」と位置づけました。
開発の過程では、健康ケア商品「ジャネフブランド」で培った経験やベビーフードの開発技術など、キユーピーならではの蓄積が活きました。

1998年、キユーピーは日本で初めて家庭用の「介護食」を販売しました。
発売当初は食事で栄養を摂ってほしいという想いから栄養強化に目を向けがちで、味や見た目が似たものばかりになってしまったことも。


「やはり、おいしく食べていただけることが一番」

心が満たされることの大切さにあらためて気づき、おいしさを追求する。
キユーピー独自の技術によって味の改良も進めていきました。

社会の大きなうねりへ

1995年に日本では65歳以上の人口が14%を超え、高齢社会※に入りました。
高齢の方の食事の大切さも徐々に認知されはじめ、市場は広がりを予感させました。しかし、社会に変化を起こし、一般的な生活の中に「介護食」を定着させるためには、業界全体での取り組みが必要なのではないか。

キユーピーは他の食品メーカーや原料・包材メーカーなどにも声をかけ、
2002年、日本介護食品協議会が発足。協議会では各社の基準でつくられていた食品のやわらかさに4つの基準を設けたり、それをわかりやすく伝える表示マークを統一するなどしました。

また、キユーピーは商品の安心・安全を追求した結果「介護食」の基本技術の特許を取得。この特許は業界発展のために活用されています。これらの活動が早期に「介護食」というジャンルを確立し、社会に浸透させていくきっかけにもなりました。

65歳以上の人口が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢社会と分類。

食べる楽しみを
いつまでも

『キユーピー やさしい献立』は、キユーピーのこれまでの取り組みを象徴する商品であるとも言えます。かみやすさ・飲み込みやすさを追求した「やわらか食」として、年月とともに進化しています。毎日、毎食食べても飽きないよう、バリエーションは主食から副菜、デザートにいたるまで幅広くそろいました。

食はよろこび。おいしいことはもちろん、楽しいことも大切にしたい。「介護食」の開発をとおして、その想いはますます強くなっています。年齢やライフスタイル、時代に合わせて、食卓は変化します。

さまざまなあり方に
寄り添いながら、

食べるよろこびをいつまでも。
それがキユーピーの
変わらぬ願いです。