飲食店のデザートメニューで
売上を伸ばす方法はあるの?

飲食店の売上を上げるためには客数の増加や客単価アップが必要です。今回はデザ―トメニューを充実させることで客単価を引き上げる方法をいくつかご紹介します。

デザートメニューの充実

飲食店においてメニューを増やすことは諸刃の剣です。豊富なメニューを準備することで、お客様に良い印象を与えることができる一方で、材料や食器の準備、仕込み、オーダー後の段取りなど、これまでにはなかった費用や手間がかかってしまいます。調理担当者には負担がかかるかもしれません。

また、居酒屋チェーンなどでは激安のデザートを目玉商品にしている店舗もあります。このようなチェーン店と競合してしまう場合、デザートを充実させるメリットはあまりないように感じてしまうかもしれません。

しかし、じつは食事メニューを工夫するよりも、デザートを充実させる方が客単価を伸ばすことができることもあるのです。一般的にお腹いっぱい食事をした後でも、甘いモノは別腹と言われます。

同じように、ある程度食事をした後のお客様に、食事をさらにおすすめしてもオーダーしていただくのはかなり難しいですが、デザートであれば注文もしやすくなります。このため、デザートの充実は客単価の上昇に貢献しやすいのです。

女性客の客単価を上げる

さらに、ターゲット別にデザートの好みも変わってきます。女性客に提供するデザートは、美味しさに加えて、美しさ・可愛らしさも必要です。美味しいアイスクリームを白いお皿に乗せるのも一案ですが、ガラスの華やかな食器を使って、チョコレートやクラッシュアーモンドで飾りつけた方が単価も高くなり、喜ばれるでしょう。

見た目の美しさ・可愛らしさが大切なのは当然ですが、最近は特に10~30代女性を中心に『写真映えするか』(具体的に表現するのは困難ですが)ということもデザートを選ぶ要素となっている様です。何故ならこのようなお客様は、インスタグラムやフェイスブックに載せることのできる素敵なデザートを求めているからです。

名前の付け方も大切です。一般的に女性は男性に比べてブランドにこだわる傾向があります。その傾向を活用して、デザートに使用されているフルーツやソースの名前を使ったメニュー名を付けてみましょう。食感(もちもち、ふわふわ、プルプル)をメニュー名に入れることでよりイメージを明確にするのも良い方法と言えるでしょう。

整理すると、女性をターゲットとしてデザートの客単価を上げるためには、『美味しい』・『写真映えする』・『メニュー名の工夫』がキーワードとなりそうです。

グループ客の客単価を上げる

『写真映えする』というキーワードでは、グループ向けの『メガ盛り』のデザートも必要ではないでしょうか。大型の器を使ったり、タワーのように積み上げたクリームや果物のパフェなどはグループでの食事時間をさらに盛り上げる効果があります。少人数では注文することが出来ないボリュームには非日常感があり、ついつい他の人に見せたくなるような写真を撮ることができるでしょう。一人一つのデザートを注文するほどではないけれど、少しは食べたいといった場合にもシェアできる量のデザートは喜ばれる傾向があります。

そして、メガ盛りデザートのメニュー開発は、定番デザートのもりつける量を増やすだけででも目を引く新メニューを作ることができるのです。

しかも、大きくても小さくても同じ種類のデザートを作る作業負担(手間)は一緒です。仮に価額が500円のデザートの原価(食材費)が150円(粗利350円)だとした場合、1.5倍の大きさのデザートの原価は75円増しの225円です。1.5倍サイズのデザートの価額が650円(粗利425円)程度なら注文のハードルが急激にあがることはないでしょう。手間をかけることなく、売上は150円(粗利75円)のアップです。

グループでの利用が多い飲食店では、手軽に客単価を上げるためにメニューに取り入れてみてはいかがでしょうか。誕生日パーティーの目玉としておすすめしてみるのも幹事さんに喜ばれるかもしれません。

業務用商品を使ってデザートを充実させる

しかし、デザートは一般的な料理とは違います。一から手作りするのは技術と手間がかかってしまうので、キッチンスタッフに負担をかけてしまうでしょう。それを解決するには、業務用のデザート商品の利用がおすすめです。アイスクリーム、プリン、杏仁豆腐、ムースといった商品はある程度出来上がった状態で販売されているので、製菓の経験のないスタッフであっても比較的簡単に扱うことができます。同じように、絞り袋の中に入った状態のフルーツやチョコレートのソースも入手可能なため、飾り付けに使うことができます。

さらに、果物は保存期間が短いものが多いのですが、業務用のソースなどに加工されていれば、日持ちも長くなり仕入にプラスになるでしょう。


まとめ

このように、誰(どのような顧客層)に・何(どのようなデザート)を提供するといった戦略を明確にすることで、客単価を伸ばせる可能性ができます。仕入を工夫すれば、キッチンスタッフに負荷を与える心配もありません。まずは現状のお客様の食べたいデザートを研究してみてはいかがでしょうか。

2017/04/27時点