売上を上げる飲食店のメニューブックに
共通するメリハリ

飲食店へ行ったとき、お客様はまずメニューを見て何を食べるのかを決めます。料理の種類や値段などの情報が記載されているメニューは、言わばそのお店の良さを出すためのツールになります。今回は売上を上げるためのメニューブックについて考えたいと思います。

まずは今使っているメニューブックを見直してみる

お客様が飲食店に入ってまず目にするのがメニューブックです。メニューの表示の仕方はお店によって様々です。また、最近ではタブレット端末をメニューとして使用している場面も目にします。

まずは自分のお店にあったメニューブックを使用しているかを見直してみましょう。例えばタブレット端末は、写真が多く、ボタンひとつで注文することが出来るのでとても便利なツールです。また、メニューの更新を誰でも行うことができ、仕入や売上管理との連携がしやすいというメリットもあります。

しかし、年配の方が利用するお店であれば、操作の仕方が分からないということもあるかもしれません。従来の様なメニューブックも一緒に置いておくといった工夫も必要になってくるでしょう。

逆に、ラーメン店など専門の飲食店であれば品数も絞られます。そういったお店であれば、タブレット端末よりも、紙に書いて壁に貼りつけたり、ラミネートしたものをテーブルに置いたりする方が簡潔で分かりやすいでしょう。

自分のお店にどういった客層が多いのか、メニューの品数などを改めて分析し、最適なメニューブックの形式を選択することが第一歩です。

メニューから売上げを分析する

売上をアップするためには、現状の売上がどのような構成になっているかの分析が必要になってくるかと思います。まずは、メニューを下記のように分類してみましょう。

1:メインメニュー 看板メニュー、定番メニュー
2:豪華メニュー 高価格メニュー
3:お手軽メニュー 低価格メニュー
4:限定メニュー シーズンメニュー
5:その他 付きだし、テイクアウトなど

そして、それぞれの売上割合の目安は下記の通りと言われています。

1:メインメニュー 30%
2:豪華メニュー 15%
3:お手軽メニュー 10%
4:限定メニュー 15%
5:その他 30%

上記を分類するだけでも、メインメニューの売上げが十分でない、お手軽な低価格メニュー数が多い割に売上げが上がっていない、限定メニューや豪華メニューの数が少ないといった様々な問題点が見えてくるのではないでしょうか。
忙しい中で時間を作るのは難しい事ですが、売上アップのためには各メニューの分析も行ってみましょう。

分析結果からメニューを整理する

先程の分析結果をもとに、メニューを再構築しましょう。
例えば、売上の多くを占めるメインメニューについてです。店を代表する看板メニューは構築できているでしょうか。また、そのメニューには魅力的な名前はつけられているでしょうか?

さらに、実際のメニューブックも看板メニューが目立つ、メリハリのある構成になっているかどうかの確認が必要です。人の目線が一番最初に届くといわれている、ページの左上に看板メニューを紹介したり、カラー写真を大きく配置するなど分かりやすくする工夫が必要でしょう。こだわりポイントや「人気No.1!」といったキャッチコピーを添えるのも効果的です。

限定メニューや豪華メニューはそれぞれ15%程度の売上げが目標とされています。定期的にメニューを入れ替える限定メニューはお客様に新鮮な印象を与えますし、豪華メニューを入れることでお店自体の印象を良くして、他のメニューを引き上げる役割も見込むことができます。看板メニューの次に充実させたい部分です。

どの飲食店も、メニューに掲げている料理はどれも自信を持って売り出したい料理でしょう。しかし、全てがおすすめではお客様も料理を選ぶのに迷ってしまいます。お客様の満足度が上がるようなメリハリのあるメニューブックを作って売上アップを目指しましょう。

渡し方に工夫をする

もちろん、ただメニューブックを渡して注文を待つだけでは効果が上がりにくいでしょう。メニューブックを渡す際に看板メニューのページを開いて渡したり、「こちら期間限定品です」と今しか食べられないことを口頭で伝えてはいかがでしょうか。

ただ何となく流し見をしてしまう人も、開いたまま渡されるとそのページをつい見たり、店員が勧めていた商品はどれか探してみたりするはずです。メリハリのあるメニューブックであれば、そのような場合もすぐに看板メニューの写真や解説が目に飛び込んでくるでしょう。

声掛けと見やすいメニューブックの組み合わせで、注文数アップが期待できます。

さらに工夫できること

メニューブックの中に、提供までの時間を意識したコーナーを作るのも一案です。空腹の方、急いでいる方のために“即出し!”といったカテゴリーを作るのです。お待たせすることなくすぐに出すことのできるスピードメニューをひとまとめにしておけば、美味しさや価格以外に「速さ」という選択肢をメニュー上でお客様に示すことができます。さらに、スピードメニューは価格も低いものが多いので、お客様も気軽に注文しやすいというメリットもあります。こうした細かな工夫をしていくことが売上の改善に繋がっていくでしょう。

意外に忘れがちなことはメニューブック自体を綺麗に保つことです。汚れが付きやすい環境に置かれているメニューブックは、油断をするとシミや汚れがついたり、ラミネートの表面がべたべたしてしまいます。お客様が手にしたときにマイナスの印象を持つことがないように、1日1回は拭き上げることをおすすめします。


まとめ

メニューブックは厨房からお客様へお渡しする手紙、ラブレターと言い換える事もできます。売上に繋げていくためにも、お客様に分かりやすく、そして選んでもらいやすい工夫をし続ける事が大切です。どういった料理を扱っているかにより、使うツールや表示方法は様々です。一度新たな気持ちで自分のお店のメニューブックを見直してみることが、売上改善への第一歩となるでしょう。s

2017/05/29時点