給食メニューでできる!?
好き嫌い以外の食べ残しの原因とその防止策のポイント

子どもの成長に欠かせないことの一つに食事があります。中でも学校の給食は子どもの栄養面を考えて作られていますが、最近では食べ残しが多いことが問題のようです。今回は給食の食べ残しの原因と防止策・工夫について考えてみたいと思います。

限られた中で給食の美味しさを引き出せているか見直す

子どもたちに人気のメニューといえば、カレーやハンバーグなど、味がしっかりとしており食べ応えのあるものが挙げられるかと思います。実際に自分の子ども時代を思い出してみても人気のメニューはおかわりをする児童が多く、食べ残しが少なかったように思います。では問題となっている給食の食べ残しはどのくらいあるのでしょうか?

平成27年4月、環境省の報告発表によると、給食の残食率は小中学生を対象に一人当たり1年間でおよそ17.2kgもの廃棄が出ているとのことです。給食は子どもたちに必要な栄養価を考えて作られた大事な食事です。少しでも食べ残しを減らし、しっかり食べてもらうにはどうすればいいか考えてみたいと思います。

例えば、食べ残しの多い給食が薄味なのであれば、ダシに注目してみてはいかがでしょうか?味付けでしょうゆなどをたくさん使うよりも減塩になります。さらに減塩した分、他の料理の味付けに塩分を回すことができるので、味にメリハリがつき食べやすくすることができます。

また、淡白なお魚など目を向けてみましょう。調理法が焼きの場合、パサパサとした印象を子どもに与え、食べにくくしているかもしれません。その場合、ここにあんかけなどをかけてみてはどうでしょうか?とろみがついて味を感じやすく食べ応えがアップします。さらに野菜あんかけなどにすれば、野菜もしっかり食べられ一石二鳥です。

このようにちょっとした工夫が子どもたちにとって給食をより美味しく感じさせることが出来、食べ残しを減らすことに繋がるのではないかと思います。

給食の食べ残しを減らすための声かけに工夫を凝らす

給食の食べ残しを減らすためには、給食の内容に気を配ることも重要です。さらに、子どもたちがどのように食事をしているのか観察したり、声をかけることも大事なことです。

しかしながら給食を作った担当者が子どもたちの様子を毎日見て回るのは大変かと思います。そのため、給食中に校内アナウンスを使って声かけをしてみてはいかがでしょうか。今日の給食にどんな食材が使われているのか、含まれている栄養が体にどのような効果をもたらすのか、「残さずたべようね」などちょっとした声かけで子どもたちの食べようという気持ちを応援することができます。

ただし、あまりしつこく食べることを強制した声かけをしてしまうと、子どもは逆に食べるのをやめてしまったり、苦痛に感じてしまうかもしれません。食事をすることに興味がでるようなアナウンスで声かけをするなら、プレッシャーも感じにくくなるでしょう。

もちろん、時間に余裕があれば各教室を回って子どもの様子を見てみるのも良いでしょう。実際に食べている表情をみたりするだけではなく、声をかけてみるのです。実際に子どもたちから給食の感想を聞けば、今後のメニュー構成に大きく役立つでしょう。

他にも、「今日の給食のハンバーグには野菜が細かく刻み込まれているよ」など普通に食べているだけでは気づきにくいことなどを話してみてもいいかもしれません。苦手な食材でも食べられた、という達成感で苦手意識が薄れ給食の食べ残しを減らすきっかけになるかもしれません。

給食の食べ残しを減らすためには、このような現場での情報収集や声かけなど、地道な活動を心掛けてみてください。

給食に特別を感じてもらえる様な工夫を凝らしてみる

毎日同じように給食の準備をし、見慣れた景色で食事をする子どもたちは、給食自体の楽しみが薄れてしまっているかもしれません。どうすれば給食に特別感を与えることができるのでしょうか?

まず、毎日見慣れた景色で給食を摂るにあたって、子どもたちは視覚的な「飽き」により、箸が進みづらい状態になっているかもしれません。このような場合、例えば普段の勉強机にランチョンマットを敷けば、いつもと違う雰囲気となります。この一工夫だけでも、子どもたちにとって給食がいつもと違う特別なものと感じることができる可能性があります。

他にも普段使っている食器から陶器の食器に変えて使ってみるのも一つの手です。普段使っている食器はプラスチック製で、落としても壊れることはないでしょう。しかし、陶器の食器であれば割れる事もあり、見た目が豪華になるだけでなく、子どもたちも食器の扱いを学ぶことができるでしょう。とくに、陶磁器の生産地にある学校であれば、自分の地元の名産品を学ぶ事もできます。

食器を変えるのが難しければ、陶器の箸置きを使うのも一つの方法です。食べ残しを減らすきっかけになるだけでなく、食べる姿勢や物の扱い方まで自然と身に付けられるでしょう。

現在、学校には栄養教諭が配置されている学校もあり、食育にも力を入れている学校が多くあります。その中の一環として、食べ物を育てている学校もあるのではないでしょうか?このような食材を取り入れるのも一つの方法です。

子どもたちが自分たちで大事に育てた食べ物を給食で食べることができれば、普通の食事をするよりも喜びや達成感を感じることが出来るでしょう。大事に育てたからこそ食べ物のありがたみを感じることが出来、食べ残しを減らすきっかけとすることができるでしょう。


まとめ

学校の給食は子どもたちの成長に欠かすことの出来ない食事であり、様々な食の経験のベースとなるものです。給食を食べる子どもたちの食べるという経験をより豊かに、深くするためにはどのようなことが重要なのか、まずは子どもたちの目線に立って考えてみてはどうでしょうか?苦手なことを克服したり、新しい味覚を体験する楽しさを給食で感じる事ができれば、食べ残しも減らすことができるでしょう。

2017/06/29時点