夏の売上に貢献する惣菜パンとは|
夏の集客に役立つコツ紹介

夏はパンの売上が減少しがちな時期です。熱くて汗をダラダラかいてしまうこの時期に、口の中の水分を取られるパンはあまり好まれなくなるのが理由と言われています。そこで夏を乗り切るために「夏に売れるパン」についていくつかご紹介したいと思います。

コンビニチェーンを参考に集客アップ!

気温の変化はパンの売上に影響します。例えばショッピングモールなどに入っている店でしたら、それほど売上が落ちることはありませんが、通りに面している店舗型のパン屋だと春や秋の3分の2まで売上が落ちることがあるようです。つまり「夏をどう乗り切るか?」がパン屋経営にとって大切なポイントと言えるでしょう。ではどのようにして夏の対策を立てているのでしょうか。

それには、大手コンビニチェーンのサンドイッチの例が参考になりそうです。定番のサンドイッチを見直すことで売上を改善した成功例をご紹介します。

コンビニチェーンに学ぶ夏のパンの売り方とは?

大手コンビニチェーンにて、春から夏にかけてサンドイッチの売上を伸ばした例があります。 「夏だからパンは売れない」とあきらめるのではなく、サンドイッチの利点を生かした販売戦略を行うことでパンのデメリットを払しょくした例と言えるでしょう。健康志向の人の増加や共働き世代に向けて「簡単に野菜や栄養を摂取できる」食品として消費者に訴えたのです。とくに、ゆっくりランチを食べることができないお客様にヒットしました。

具体的には、素材の見直し、パンの見直しです。挟む素材である野菜やハム、卵などに徹底的にこだわりました。たまごサラダにpH調整剤を使用せず、たまご自体の味を楽しめるようにする、ハムに使用するリン酸塩をゼロにして、より豚肉の味が強いハムを使用するといった工夫です。

また、レタスをたっぷりと入れてシャキシャキとした食感を強調したり、ハムを厚みがでるほど挟んで食べ応えをだしたりする改善も、コンビニのサンドイッチが美味しくなったと評判になるきっかけとなっています。

それ以外にも、持ち運びしやすいプラスチックケースに入った一口サイズのサンドイッチやフルーツが豪華に入ったフルーツサンド、フランスパンにパストラミや本格的なチーズを挟んだバケットサンドなど、コンビニのサンドイッチはどんどん進化を遂げています。

冷蔵でもおいしいパンの追求

一方、サンドイッチのパン自体もかなり工夫されています。サンドイッチの問題点とされるのが販売形態です。保存のためには冷蔵ケースを使った販売が必須ですが、冷蔵ケースでの保管はパン自体の品質を下げてしまいます。冷蔵にするとパンに含まれるデンプン質が劣化してしまったり、乾燥してパンの水分が奪われてしまったりするのが原因ですが、やはりサンドイッチは冷蔵ケースで販売しなければいけません。

パンの食味を上げるために、大手コンビニではパン自体の品質を改善しました。冷蔵しても美味しさを保つことができるように、食パンにバターを配合したのです。油分を増やすことで、冷蔵してもよりしっとりとした食感を保つことができるようになりました。サンドイッチ用パンのレシピを変えることは期間限定でも検討の価値がありそうです。

さらに、大手コンビニでは食パンのカットにもこだわりました。これまでよりも、より表面をなめらかに切ることの出来る食パンのカッターを導入することで、口当たりがしっとりとして、具材とも馴染みやすいサンドイッチ用のパンを作ることに成功しています。表面が滑らかに切断されていると、よりパンが乾燥しにくいというメリットもあります。

パン屋でスライサーを新調するのが難しければ、高品質のパン切りナイフを導入するのも一案です。近年よりスムーズにパンを切ることができる専用のナイフが多く販売されるようになりました。手軽によりおいしいサンドイッチをつくるために、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

このように、コンビニのサンドイッチの進化から学ぶことができることはかなりありそうです。もちろん大手コンビニチェーンの集客力だからできた販売戦略かもしれませんが「夏だからパンは売れない」という常識を破ってくれた事実と言えるでしょう。

夏の暑さを乗り切るための肉を使ったパン

サンドイッチ以外のパンも工夫できそうです。「夏の暑さに負けない食べ物を食べたい」と思っているお客様に対して、力のつく食材を提案する方法です。夏を乗り切るエネルギーのある食事、その代表的な食材は「肉」です。ベーコン、ハム、ソーセージなど肉を使った惣菜パンの肉を増量して、夏バテ対策パンとPOPを書いてみる方法は手軽に始められるでしょう。生姜焼き、ローストビーフなど普段惣菜パンに使用しない肉料理を挟んだものを販売してみるのも一案です。


まとめ

客足が落ちる夏にはなにか改善策を打ち出したいと考えられている方も多いでしょう。ご紹介したように夏のニーズに合ったサンドイッチを提供するなど検討してみてください。コンビニチェーンの掘り下げてくれたニーズに、夏を乗り切るチャンスを探してみてはどうでしょうか。食欲の落ちる季節だからこそ「手軽に」、かつ「エネルギーのあるもの」を求めているお客様へアピールする方法を考えてみましょう。

2017/07/28時点