「おつまみ」惣菜を充実させよう|
惣菜利用者層を拡大させるために
コストをかけずに惣菜の「おつまみ 」消費を促す方法
そもそも惣菜とは、日本食におけるおかずの総称として一般的に使われていることから、お弁当コーナーの横が惣菜売り場の定位置というお店がほとんどです。そこへ、新たに「おつまみ」コーナーを設けるというのはどうでしょう。
揚げ物・煮物、漬け物などの調理方法や、肉惣菜・魚惣菜などのジャンルごとに、別々に並べているのがこれまでの惣菜売り場の定番です。それをお酒に合う惣菜だけを一か所に集めて、「おつまみ」コーナーとして新たな売り場にします。陳列の場所を並べ替えるだけなので、わざわざ新しくスペースを設ける必要はありません。
普段から製造している惣菜をそのまま使うこともでき、人員やコストをかけずに始めることのできるアイディアです。さらに一か所に集めることにより視覚的効果も生まれ、一種のイベント感も演出することもできます。利用者の購買意欲を掻き立てるには、十分な効果が見込めるでしょう。
「便利さ」と「手軽さ」も商品
お盆やお正月、ひな祭り、ハロウィーン、クリスマスなど季節行事やイベントで人が集まるときに、オードブルの盛り合わせなどは、欠かせない商品ではないでしょうか。では逆に、日常における家飲みニーズを取り込む方法は、どのように工夫すべきかを考えてみましょう。
一人暮らしや核家族にとっては、盛り合わせよりも小分けパックのおつまみが喜ばれる傾向にあります。小分けパックの容器は少しお洒落にして、小料理屋の小鉢をイメージできるように高級感を演出することも、より良いやり方のひとつです。逆に、乾きモノやスナック菓子、流行りの缶つまなどと一緒に「おつまみ」惣菜を並べて販売し、気軽に手に取ってもらえるような雰囲気作りも大切にしましょう。
コンビニと同じように「便利さ」や「手軽さ」を求める利用者の味方になる、それもスーパーにおける惣菜利用者層の拡大へ繋がる戦略だと考えられます。
酒売り場との連携で売り上げを伸ばす
季節感のある惣菜には、季節感のあるお酒と合わせての販売がおすすめです。例えば、夏場にはきゅうりを使った中華風の冷菜の横に、夏限定の新商品のビールを並べます。冬場には焼き鳥を並べた横で(※レンジアップがおすすめであることも一言添えたうえで)特に熱燗に向いた日本酒を並べます。
酒売り場にも相性抜群のおつまみとして、「おつまみ」惣菜のPOPなどと並べて販売しましょう。お酒との相性を全面に押し出した商品の見せ方をすることで、「おつまみ」惣菜とお酒の両方の売り上げアップに繋げます。お酒と料理は寄り添うものであると、お客様に自然に意識させることができればこの作戦は成功です。
家庭では真似できないおつまみ惣菜で特別感を演出
特別な外食をした時のあの美味しかった思い出を、自宅でも再現出来たら幸せだと思いませんか。例えば、ホテルのレストランでシェフが切り分けてくれたローストビーフ。高級中華で味わった大きな海老のチリソース。手間も時間もかけて上品な出汁で仕上げた京都の料亭の炊き合わせなどです。
完全に同じものを味わえるとは、正直お客様も思ってないでしょう。しかし、思い出がよみがえるくらいの品質で販売することができれば、お客様の心をがっちりと掴むことができます。
これは、何も高級なものばかりを用意するという意味ではありません。大切なことは、自宅では作れないものを「おつまみ」惣菜として販売することで、外食の「特別感」を自宅で味わうお手伝いができるということです。
しかも惣菜の良いところは、自由に量を選べるところにあります。ローストビーフも、エビチリも、炊き合わせも、自分一人分だけの量を自宅で作ることはできません。ちょうど良い量を手軽に購入できる「おつまみ」惣菜は、確実にファンを捕まえることができるでしょう。
まとめ
せっかく自宅で飲むのなら、ゆっくりとリラックスしてお酒を満喫したいとお客様は思うのではないでしょうか。そのためにも、飲み疲れないということはひとつの大切なポイントといえます。
お肉や揚げ物などのこってり・がっつり系おつまみは、もちろんお酒によく合いますし満足感もあります。ですが、そこに野菜をメインにした優しいおつまみを加えて、少し体に気を使ったお酒の楽しみ方を提案してみるのはいかがでしょうか。
お酒は飲みたいけど健康のことも気になる、そんなわがままニーズに応える「野菜のおつまみ」も、新たな「おつまみ」惣菜のひとつのカテゴリーとして、存在価値が増してきているといえます。「野菜のおつまみ」、すなわち「ベジつま」は新たな惣菜利用者層の拡大に繋がるアイディアとして、今後注目をしていただきたい存在です。
2017/09/04時点