夏の暑い時期だからこその揚げ物惣菜?
季節感のある食材を利用するコツ

季節を通し、惣菜は常に一定以上の売上を出している販売店も多いかと思います。中には夏に伸び悩む販売店もあるでしょう。夏の惣菜は売れないというイメージがあるかもしれません。
しかし本来ならば夏こそ惣菜の需要が伸びる時期なのです。夏に売れる惣菜は何か、探っていきましょう。

夏の惣菜は売上が高い

2016年経済産業省による『お酒をたしなむなら「外飲み」派、「家飲み」派?;酒類関連産業の動向と飲食消費行動の変化』の調査では、惣菜の売上は8月が最も高いという結果になっております。総売上高に占める割合は10%を超えました。

一般食品の売上が、8月だけが特別高いわけではないことを考えると、惣菜の8月の売上は特徴的な動きと言えるでしょう。次いで高い2月とも引き離します。それだけ、夏に惣菜を求める層が多いことがわかります。

惣菜を購入するメリットから考える

まずは惣菜を購入する層が一体何を求めているかを考えましょう。アサヒグループが実施したアンケートによると、惣菜をいつ食べるのかという質問に、夕食用と答えた人が8割を超えました。仕事帰り時間がないときや夕食のおかずとしてあと1~2品欲しい、時間がないときの主菜のためといったときなどの理由により、夕食での需要が高くなっています。また、晩酌・お酒のおつまみ用も3割を超えております。

メインの惣菜ではなく、ちょっとしたサブの惣菜として購入していく場合にあたります。夕食にしろ晩酌にしろ、これらは合わせて、夕方の時間帯に集中します。共働きも多くなっている昨今、夕食を作る時間が足りなくなるご家庭も多くなっており、惣菜需要は高くなる傾向にあります。

夕方の時間、惣菜売り場に居るお客様は惣菜購入の見込み客であり、あと一歩で新規顧客となる段階であることが多いと推察できます。あと一歩の何かしらのきっかけが必要となりますが、それは大がかりなものが必要というわけでもありません。もう少しで決断する段階の見込み客であればほんの少しのものでも大きな結果をもたらします。

夕食、またはお酒のつまみの需要を考え惣菜を用意、その上で例えば、POPを設置するといったことでもきっかけとなります。POPの内容には、ただ商品名を記載するのではなく、調理をせずすぐに食べられるメリットを強調するとベターです。仕事帰りで夕飯を作る時間がない、あと1品用意する時間がない、疲れて作る余裕がない、お酒のつまみになるような味わいのものが欲しい、そんな見込み客の需要を意識し、背中を押すPOPを製作しましょう。

手間がかかる揚げ物こそ需要あり

具体的に惣菜はどんなものが売れるのか。同じくアサヒグループによるアンケートでは普段自分では料理しないもの、が5割を超えています。そして、割引タイムサービスのもの、見た目が美味しそうなものが続きます。

季節を問わず家で調理しにくいものと言えば揚げ物です。また、夏は熱した油が熱く敬遠されがちな料理の一つです。コロッケや天ぷらなど準備も手間がかかるもの。コロッケは野菜も摂取できることから通年人気が高い惣菜です。

また、からあげは惣菜人気が常に高いものです。夕食の主菜にも副菜にも相応しいだけではなく、ビールのつまみなどでも対応可能の惣菜です。夏の暑い日に揚げ物は避けたいもの。そんな場合に揚げ物惣菜は需要にぴたりと当てはまるでしょう。

揚げ物にも季節感を出す

揚げ物にもいろいろあります。コロッケや天ぷら、からあげなど。揚げ物は1年を通して惣菜コーナーに並べることができる惣菜となりますが、夏に推す惣菜とするならば、夏らしい変化をつけると目新しくなり目に止まりやすくなります。

夏に旬の野菜を使った揚げ物も良いでしょう。アスパラガスや枝豆、オクラにゴーヤなど。天ぷらでもからあげでも素揚げであっても並べやすく、栄養を気にするお様の需要にも当てはまります。

また、通年人気の鶏のからあげも良いですが、夏の場合はジュレなどを添えて夏らしさを演出することもおすすめです。青じそやレモンなどのジュレを添えることで、夏らしくさっぱりし、彩の良く華やかな印象となります。業務用商品を使うと調理場での手間もほとんど増えることがありません。

レモンや梅といった酸味のあるものは夏の印象に当てはめやすいです。クエン酸による疲労回復効果も謳うことができ、夏バテ対策として押し出すことも可能です。

揚げ物と一口で言っても、いつものように並べるだけでは普段と変わらず、通り過ぎやすくなります。POPで強調し、家で調理の手間が多い揚げ物をアピールすることで、見込み客へのきっかけをより強化することができるでしょう。


まとめ

夏は惣菜が売れない、という悩みを持っておられる方も多いかもしれません。しかし夏こそ惣菜の売上アップのチャンスなのです。キッチンは基本的には火を使い暑くなるものですが、夏はそこに湿気も加わり、体への負担が大きくなります。さらに揚げ物となればできるだけ避けたいもの。

しかし主菜や副菜にぴったりである揚げ物は、惣菜コーナーに並べるには最適です。一度、夏のお惣菜コーナーでの揚げ物のラインナップを見直してみてはいかがでしょうか。

2017/09/04時点