年間を通じて楽しめる!
パーティーサンドの組み立て方

レシピ監修
フードコーディネーター ナガタユイさん

食品メーカーでのメニュー開発、食材専門店での商品開発、企画運営に携わった後、フードコーディネーターとして独立。サンドイッチを中心に、パンのある食卓の提案を続けている。著書に「サンドイッチの発想と組み立て」、「トーストの発想と組み立て」、「卵とパンの組み立て方」(いずれも誠文堂新光社)、「テリーヌ&パテ」(河出書房新社)等。

サンドイッチ文化発祥のイギリスで、ゆったりとした午後のひとときに、会話と共に楽しむのがティーサンドイッチです。一口サイズのシンプルなサンドイッチは、パンは薄くて具もシンプル。ボリューミーなサンドイッチがもてはやされるこの頃、ちょっとさみしくに見えるかもしれませんが、食べてみるとその理由がわかります。おちょぼ口でも上品にいただけるティーサンドイッチは、片手でつまめる前菜のようなもの。小腹を満たすための一品で、主役は会話です。“食べやすさ”を重視して組み立ててみましょう。

豆知識 イギリスのティーサンドイッチと日本のサンドイッチ

イギリスのティーサンドイッチはたっぷりのバターを塗り、単一の食材を薄くはさみ、小さく作られます。これが、日本に伝わり、浸透する中で日本独自のサンドイッチ文化が形成されました。ソフトで甘く口溶けのよい日本ならではの食パンができたからこそ、パンは厚くなり、具材のバランスも変化しました。複数の食材の組み合わせたり、ティーサンドイッチに必須のバターは、マヨネーズに置き換えらたりして、カットサイズも大きめになりました。

パーティーサンドは、多種多様なサンドイッチが一度に楽しめる、スペシャルなミックスサンドと考えて組み立てましょう。定番のパンと定番の食材を軸にすることで、汎用性の高いメニューになります。年間を通じて需要が見込めるため、定番メニューとして育てることが大切です。

パーティーサンドの組み立て方

STEP1 食事のシーンを考える

パーティーサンドを組み立てる時、スペシャル感を第一に考えがちですが、特別な食材やボリューム感は必須ではありません。例えばクリスマスならメインディッシュのチキンや煮込み料理、サラダなどがあり、バゲットが添えられているかもしれません。ちょっとした集まりごとなら、パーティーサンドとお寿司のプレートが並んでいることもあります。アフタヌーンティーなら、スコーンやデザートもあるでしょう。サンドイッチはそんなテーブルの中のパーツのひとつと考えます。

STEP2 バランスの良いメニュー構成を考える

食べやすいサイズ感

食パンは薄切りに!白い食パンと全粒粉入りの茶色いパンをミックスして使いましょう。食べやすさを第一に、一口サイズにカットするのもポイントです。

多くの方に好まれる定番の食材

小さなお子様からご年配の方まで、手に取りやすいメニューの構成比を高めることを意識しましょう。特殊な食材よりも、誰でも味の想像がつく、定番食材を主軸にするのがポイントです。

パーティー感を演出するワンランク上のスペシャル食材

ローストビーフやスモークサーモンなど、少し贅沢な食材をプラスすると、わかりやすいパーティー感を演出できます。フルーツサンドなどのデザート系も入れると、彩りと味わいのバランスが更にUP!ジャムを使ったシンプルサンドも食べやすく、おすすめです。アルコールにも合う大人向けか、お子様メインのファミリー向けかで構成比が変わります。ターゲットやシーンに合わせ、定番食材、スペシャル食材、デザート系の割合を調整しましょう。

急なオーダーにも対応できる作りやすさと構成

パーティーサンドにしか使わないパンや食材があると、急なオーダーや繁忙期に対応できないことがあります。程よいスペシャル感がありながらも、定番のパンと定番の食材を軸にすることで、汎用性のある現実的なメニューになります。予約制のパーティーサンドは、年間を通じて需要が見込めます。定番メニューとして育てることが大切です。

パーティーサンド メニューの構成比例

キユーピー(株)制作 ナガタユイさん監修
サンドイッチプラスより引用

2025/11/17時点