銅冶勇人さんがアパレル収益で行うアフリカ支援と現地の給食事情

銅冶勇人さんが​アパレル収益で​行う​アフリカ支援と​現地の​給食事情

銅冶勇人さん第1回

サステナブルな食を展開するGREEN KEWPIEがお送りする「みんなにうれしいGREEN KEWPIEチャンネル」。6人目のゲストは、アパレルブランドCLOUDY・NPO CLOUDYの代表を務める銅冶勇人さんです。アパレルブランドの売り上げをNPO活動に回し、アフリカの支援を行う銅冶さん。第1回目は、銅冶さんのアフリカとの出会いや、学校作りで力を入れているという「学校給食」についてうかがいました。

※この記事はVoicyの対談の要約です。発言の意味を変えないように配慮して、一部省略・集約をしています。詳しくはVoicyの「 みんなにうれしいGREEN KEWPIEチャンネル 」をお聴きください。

銅冶勇人

銅冶勇人

どうやゆうと

アパレルブランドCLOUDY・NPO法人CLOUDY代表。2008年に慶應義塾大学を卒業後、ゴールドマン・サックス証券株式会社に入社。並行して2010年にアフリカで教育、雇用の創出、食料支援などを行うNPO法人CLOUDYを立ち上げる。2015年に会社を退職し、翌年株式会社DOYAを設立。アフリカの伝統的なファブリックをはじめ現地の手仕事、文化を生かすアパレルブランドCLOUDYを展開し、NPO活動との両輪で事業を行う。

伝統的な​アフリカンテキスタイルを​使った​CLOUDYの​アイテム

同じ大学の先輩後輩であり、銅冶さんの手がけるCLOUDYと前田さんのお花屋さんがコラボをするなど以前から交流のあったお二人。前田さんはCLOUDYアイテムの大ファンだそうで、この日も私物をたくさん持ってきてくれました(上の写真のバッグも)。CLOUDYは、個性的な色柄が目をひくアフリカの伝統的なファブリックを使ったバッグやアパレル、器など幅広いプロダクトを生み出しています。まずは、そんなCLOUDYアイテムの魅力についてトークがスタート。

前田: 私もCLOUDYのアイテムを愛用していて(今日も)バッグをいくつか持ってきましたし、ドリンクボトルもCLOUDYです。子どものTシャツもCLOUDYのものを持っていますし、アフリカンテキスタイルが入ったマグカップでコーヒーを飲むのも大好きなんですよ。どれもカラフルで色合いがきれいで、デザインも本当におしゃれで、持っていてウキウキするものばかりなんですよね。

銅冶: これ以上ないお言葉を本当にありがとうございます!

前田: 大好きなので、堂々とCLOUDY愛を語れるこの回がすごくうれしいです!やっぱりこのカラフルな柄っていうのは、アフリカの民族的なファブリックだったり、アフリカでは当たり前に使われているような色合いだったりするんですね?

銅冶: そうですね。アフリカの伝統的なキテンゲという生地など、アフリカのテキスタイルを全面に使った生地を現地の人たちは体に巻きつけたり、頭に巻いたりして使っているんですけれども、その生地を僕たちはいろんなプロダクトに使用して、アフリカの素晴らしい伝統的な柄をみなさんにも持ち歩いていただいたり、着ていただいたりして楽しんでいただけたらと思っています。

前田さんも私物として愛用するCLOUDYのボトル

前田: お店は現在、原宿と渋谷に実店舗を構えていますが、最初からお店があったわけではないんですよね。

銅冶: 最初はオンラインとポップアップで少しずつ広げながら、実店舗をようやく2020年にオープンすることができて、今年ハラカド(東急プラザ原宿「ハラカド」)という神宮前交差点のところにできた新しい商業施設内にお店を構えることができました。

銅冶勇人

アフリカの素晴らしい伝統的な柄を楽しんでいただけたらと思っています

前田有紀

大好きなCLOUDY愛を堂々と語れるこの回がすごくうれしいです!

大学の​卒業旅行が​アフリカとの​出会いの​きっかけ

「色合いがきれいで、持っているだけでウキウキする」とCLOUDYアイテムへの愛を熱く語る前田さん(上の写真のアイテムも全てCLOUDY)。そして話題は、銅冶さんのアフリカとの出会いに移ります。初めて訪れたケニアのスラム街で、200世帯に一つしかトイレがない劣悪な環境の中、仕事も学校も食べるものもない人々を目の当たりにし、アフリカの人たちのために何かアクションを起こせないかと強く思いを巡らせるようになったそう。

前田: CLOUDYはアパレルブランドとNPO活動の2つを循環させているということですが、NPO活動はいつから始められたのですか?

銅冶: NPOは2010年に立ち上げて、14年目になりますね。我々CLOUDYは、NPOという非営利の団体と株式会社という営利の団体、この2つが循環をしてソーシャルアクション(を起こし)、社会的な問題を解決しながらビジネスを作って、現地の問題解決をしながら還元していく一つの仕組みを作るという、新しいビジネスモデルを作り出しています。

前田: 最初のアフリカとの出会いはどんなものだったんですか?

銅冶: 何か(アフリカについて)学生の時に学んでいたかというと全然そんなことはなくて、大学の卒業旅行で、人生でこのタイミングを逃したら二度と行かない場所に、二度とできない経験をしに行こうと思って、かねてよりいろんな番組を見て面白そうだなと思っていたケニアのマサイ族のところに一人でホームステイに行ったのが最初のアフリカとの(出会いの)きっかけです。その時に、アフリカで2番目に大きいスラム街で生活をしたことで今のCLOUDYの原点となる「この人たちと一緒に何かを作っていきたい」という気持ちが生まれました。

前田: そんな銅冶さんは大学を卒業されて、今度はゴールドマン・サックスに入社されて、会社員を経て(NPO法人を)立ち上げたんですよね。

銅冶: 在籍中に卒業旅行の(時に感じた)気持ちが全く途絶えることがなくて、もう1回アフリカに行こうという気持ちをずっと持っていて、(社会人)1年目の休みにもう1回ケニアを訪れて、ちゃんとした形で団体を作って、会社員とともに頑張ればやっていけるんじゃないかと思って。働きながらNPOの代表をするという二足のわらじのような生活をしながら、金融とNPOという活動をずっとしていましたね。

前田: サラッと二足のわらじとおっしゃっていましたが、かなり忙しいお仕事ですよね。通常の業務よりも拘束時間はそれなりにあるのかなと思うんですけど、深夜までお仕事されていたりとか?

銅冶: (会社員の仕事は)朝5〜6時に出社をして、深夜まで。それ(NPO活動)が働く中での一つのモチベーションにもなったのかなという気がしますね。

銅冶勇人

非営利の団体と株式会社という営利の団体が循環してソーシャルアクションを起こす、新しいビジネスモデルを作り出しています

昔ながらの​シンプルオムライス風

ゲストにGREEN KEWPIEを使った料理を食べていただく「みんなにうれしいGREEN KEWPIEレシピ」のコーナー。1品目は、「HOBOTAMA 加熱用液卵風」を使ったオムライス風です。ふわふわした卵風と、ケチャップライスの定番な組み合わせがうれしい一皿。果たして銅冶さんの反応は?

前田: 日々多忙を極める銅冶さんですが、頑張った時のご褒美ごはんはどんなものですか?

銅冶: いくつかあるんですけど、大好きなオムライスをご褒美にいただいております。

前田: 何か思い出のオムライスがあるんですか?

銅冶: 小さい頃から、夏に家族全員で千葉の上総興津(かずさおきつ)という場所に旅行に行くのが毎年のメインイベントなんです。その時に、海岸沿いにあるご家族でやられている小さい中華料理屋さんに行くんですけど、そこのオムライスが小さい頃から大好きで、ケチャップをベチャベチャにつけていただくというのが毎年夏の楽しみでして。その楽しみが大人になっても変わらず、いまだにオムライスが大好きです。

前田: オムライスって、食べるといろんな思い出が頭に浮かびますよね。そんな銅冶さんのために、定番で王道のオムライスをご用意しました。題して『昔ながらのシンプルオムライス風』です。

銅冶: ありがとうございます!すごくおいしそうです。ケチャップをたくさんつけていただいて。

前田: そうなんですよ、たっぷりつけました。鶏肉と玉ねぎが入ったケチャップライスを、「HOBOTAMA 加熱用液卵風」で優しく包みました。「HOBOTAMA 加熱用液卵風」は溶き卵のように使えるので、オムライスだったり、チャーハンだったり、親子丼などを作る時にもぴったりなんです。

銅冶: 大好きな僕の料理、何でもこれが使えるってことですね。

前田: そうなんですよ。オムライスの時は、(「HOBOTAMA 加熱用液卵風」に)溶いた片栗粉も(少し)入れるとよりうまく作れるそうです。さっそく食べてみましょう。

銅冶: うーん、おいしい!(中に)しっかりケチャップが浸透していて、あの味がしますね。

前田: よかった!この「HOBOTAMA 加熱用液卵風」の部分はいかがですか?

銅冶: これって卵を使ってないんですよね?ものすごい卵じゃないですか!

前田: そうなんですよ。色も本当にいいですよね。

銅冶: 色もですし、ふわふわした食感もですし、味もオムライスそのもの。これが卵を使っていないとは!いいですね。

前田: 私も食べてみますね。卵に見えるHOBOTAMAの部分が結構もっちりしていて、おいしい!

銅冶: そうですよね。モチモチしていて歯ごたえがあるというか、すごくいい食感です。

前田: この(卵風の)黄色と(ケチャップの)赤のコントラストが食欲をそそるので、これは子どもたちにも作ってあげたいなと思いました。

銅冶勇人

色も、ふわふわした食感も、味もオムライスそのもの。これが卵を使っていないとは!

前田有紀

HOBOTAMAがもっちりしていて、おいしい!

前田: 銅冶さんには事前にGREEN KEWPIEの商品をお送りしましたが、食べたものはありますか?

銅冶: 「植物生まれのごまドレッシング」と「植物生まれのマヨネーズタイプ」を僕はいただきました。大学時代にアメフトをやっていたこともあって、食生活では脂質を結構気にしていて、なるべく低脂質のものを摂ろうと心がけているんです。ずっとキユーピーさんのマヨネーズは使わせていただいているんですけれども、とにかくこのマヨネーズタイプの軽さ!オイリーな感じが全然しないところがよくて、味もおいしいですし、これからの食生活ですごく使っていきたいマヨネーズ(タイプ)だなと思いました。

前田: 「植物生まれのごまドレッシング」はいかがでしたか?

銅冶: これも食生活の中ではぜひ使っていきたいなと思います。僕はサラダに使わせてもらったんですけど、お豆腐にこれをかけてスプーンでいただいちゃうという(のも試したいです)ね。

前田: おいしそう!その組み合わせいいですね。

銅冶勇人

マヨネーズタイプはとにかく軽い!味もおいしいです

「給食」が​学校に​行っても​いい​理由に​なる

大好物のオムライス風を味わいながら、和気あいあいと話を進めるお二人。後半では、CLOUDYの具体的な活動内容についてさらに深掘りしていきます。中でも力を入れているという「学校給食」には、どんな背景があるのでしょう。

前田: NPO CLOUDYとして、今どんな活動をされていますか?

銅冶: これまでアフリカのケニアとガーナで、幼稚園や小学校、中学校を毎年1校ずつ開校してきたんですけれども、去年初めてガーナにクリエイティブアカデミーというクリエイターを育成する学校を開校しました。この学校は、若手の現地クリエイターを育成して世界にどんどん飛び立っていってもらう一つの登竜門みたいになってくれればいいなと思っているんです。先ほど前田さんも(私物で)持ってくださっていたアフリカンテキスタイルの派手でカラフルな柄を使った(ものを作る)デザイナー、カメラマン、映像制作者。この3つのコースをもって若者がここから育っていくという場所を作っています。

前田: 学校の教育だけでなく、職業を作っていくというのもすごく大事な役割なんですね。

銅冶: そうですね。教育を受けるところで終わってしまっている子どもたちが非常に多い中で、やはり生きていくためには仕事を作っていくのがとても大事なことで。デザイナーも含めて、可能性をいっぱい持っているものの道半ばで夢を諦めてしまう人たちも多い中で、そういった若者たちが世界に羽ばたいてくれるような場所を作っていきたいなというのが、この学校への思いですね。

2021年、ガーナのアブイ・チタ村で3校目に開校した中学校にて

前田: 学校も毎年1校ずつ開校してすごいペースだなと思うんですけど、学校の中で力を入れていることってありますか?

銅冶: 僕たちの学校では、学校給食を絶対に提供することをルールとしています。なぜかというと、発展途上国で学校を建てた時に、時間が経つとみんな通わなくなってしまうというのがよくある現象なんですね。子どもたちが、学校ではなくまた労働に戻ってしまう。ご両親も学校に通ったことのない人が多いので、教育の重要性を知らないんです。だから(親が)「やっぱり働いた方が自分たちのためになるんじゃないか」「じゃあ働きに戻りましょう」「子どもたちも学校に行くのはやめなさい」という流れが必ず作られてしまうのが、学校建設において注意しなければいけないポイントです。そこで学校に行く理由を作らなきゃいけないと思った時に、給食を提供することで「学校に給食があるんだったら」「1日1回お腹いっぱいになれるんだったら学校に行っていいよ」というお父さんお母さんのアプルーバルにつながるという意味でも、学校給食というのに非常に力を入れています。

現地の子どもたちに給食を配る銅冶さん

前田: 敷地内で畑も作ったりされているんですよね。

銅冶: そうなんです。学校の敷地の中に畑を作って、給食の材料を子どもたちと地元の大人たちと一緒に育てながら、農業と教育を入れ込んで自給自足のサイクルを作っています。ゆくゆくはこれがどんどん安定してきたら、その場所(学校の敷地内)に缶詰工場を作りたいんです。冷蔵庫を持っている家庭が発展途上国では少ないので、安定した缶詰の工場(を作り)、低価格のもの(缶詰)を作って、雇用を生みながら人々の生活を安定的にサポートできるような仕組みにしていきたいなと思っています。

前田: 職業とリンクさせながら進めていくのはすごく大事なポイントですよね。給食って誰が作っているんですか?

銅冶: 地元の子どものお母さんたちから「私もやりたい、私もやりたい」と応募が今殺到していて、人選がとても大変なんですけれども、お母さんたちが一生懸命毎日作ってくれています。そこにも雇用が生まれているので、一つひとつのアクションをきちんと循環させて雇用を生んでいくことを心がけています。

前田有紀

学校の中で力を入れていることってありますか?

銅冶勇人

学校給食を絶対に提供することをルールとしています

子ど​もの​将来の​夢の​数が​増えるのが​うれしい

2023年にスタートしたクリエイティブアカデミーを含め、毎年1校ずつ開校しているCLOUDY。たびたび現地に足を運び、子どもたちと接している銅冶さんは、活動をする中でどんなうれしい感情が湧き上がってくるのでしょう。

前田: 最後に、銅冶さんがアフリカでの活動をする中で感じるうれしい瞬間について聞きたいんですが、それはどんなものですか?

銅冶: これは夢の話になるんですけれども。初めてケニアに学校を建設した時に、当初200人くらいの子どもたちが学校に通ってくれていたんですが、「みんなの将来の夢は何ですか?」と質問をした時に、200人の子どもたちから出てきた夢の数が4種類しかなかったんですね。この4という数字は、教育のレベルの低さ、それから子どもたちの(お手本となる)ライフモデルの少なさ。これを意味しているんだなということに気づかされました。少しずつ学校も成長して広がって、最近また「夢は何ですか?」と子どもたちに聞いてみたんですけど、200〜300人の子どもたちから100個ぐらいの夢がたくさん出てきたんですね。これは僕たちがみんなと一緒に作り上げてきた教育というものが少しずつ広がっているということだと思いますし、ここからまた子どもたちが夢を広げて、それを実現するためにもっともっと勉強しながら、この夢を200、300と広げられるような学校にしていけたらうれしいなと思っています。

前田: 4から100ってすごいですね。それだけ銅冶さんの活動が、子どもたちに未来の選択肢のプレゼントをしているということがよくわかりました。

銅冶勇人

最初は4種類しかなかった子どもたちの夢が今は100種類出るようになりました

前田有紀

銅冶さんの活動が、子どもたちに未来の選択肢のプレゼントをしているんですね

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前田有紀
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