
小川さんが感じる心地よさ「中庸」であるためのルーティンとは?
収録時が初対面だったお二人ですが、前田さんは元テレビ局アナウンサー、小川さんは元出版社勤務と時間が不規則な働き方を経験しているという共通点が。加えておうちが大好き!という点も重なり意気投合。話題は小川さんの日々の暮らしのこだわりについて。
前田: 小川さんは日々、どんなことにこだわって暮らしていらっしゃいますか?
小川: 今はできるだけ「中庸(ちゅうよう)でいる」ということを大切にしています。
前田: 中庸っていうのはどういう意味で使っていらっしゃいますか?
小川: 私の中ではニュートラルっていう意味なんですけど、よくご機嫌でいられるようにっていうね、そこを目標にするとか、意識するということが多いと思うんですけど、私はご機嫌までは目指さなくていいと思っていて。不機嫌でなければいいかなって。あまりにもハイテンションだったり、あまりにも落ち込んだりっていうことじゃなくて、常に真ん中の状態に戻ってこられる自分でいたいなと思っています。
前田: 確かにご機嫌でいるっていうのは、いつもウキウキしていなきゃいけないので、ちょっと疲れてしまいそうな時もありそうですよね。
小川: あと現実問題難しいですよね(笑)。
前田: 難しいです。ちょっと穏やかでニュートラルに毎日を過ごすっていう方が、目指しやすい気がしますね。
小川: そうですね。本当にちょっとした心がけで、そんなにハードル高くなく実践できるんじゃないかなって思っています。
前田: そんな小川さんの毎日のルーティンはどんなものですか?
小川: ルーティンというと、朝を結構大切にしていて、朝の過ごし方がその日の自分を決めるって思っているんです。具体的に言うと、朝に家と体調を整えることをルーティンにしているんですけど、床掃除とヨガを毎朝やるようにしています。
前田: え!毎朝?すごーい。そうなんですね。
小川: それも中庸でいたいからなんですけど、私にとって床掃除とヨガは、やらないと「今日いつやろう?」「まだやってない」とか、ずっと宿題みたいに頭の中に居座り続ける二つなんです。だから、そういうことはなるべく朝の早い時間に片付けてしまえば、その後はもう荷物を下ろした気持ちで過ごせるので、中庸を保ちやすくなるということなんです。
前田: 床掃除もヨガも本当に自分のために、自分が心地いい状態でいるためにやってらっしゃるんですね。
小川: そうなんです。
前田: 朝ごはんはどのようにされていますか?
小川: 朝ごはんは、今は実は家族全員バラバラにとっていて、最初に食べるのが娘なんです。娘は6時に朝ごはんを食べて7時前には学校に行くんですけど、その時間には私はヨガをやりたいので一緒に食べないんです。娘が出てからごはん(を食べます)。夫は、朝ウォーキングに行って帰ってきたら、自分で自分の食べたいものを用意して食べるので、結果3人バラバラに食べているっていう感じなんです。
前田: それが、ご家族にとって心地よい過ごし方になっているんですね。
小川: 今は本当に、そうですね。
前田: それは前からですか?
小川: いやいや全然。やっぱり子どもが小学生の間は、もっと家族がワンチームみたいな感じで、ごはんももちろん一緒に食べていたし、同じメニューを食べていたんですけど、子どもが中学校に上がると生活がすごく変わったんです。子どもが家にいる時間も短くなりましたし、朝は早くて夜は部活が終わって帰ってくる感じなので、ごはんを家族で食べるっていうことにこだわり続ける必要がなくなったんです。私も夫も今の自分にとって、心地よいごはんのメニューや食べる時間を考えた結果、こういう形になった感じです。
前田: そうなんですね。今わが家の子どもが7歳と4歳なんですけど、まさにもう朝がドタバタの中で、ごはん作って出してみんなで食べてみたいな感じなのですが、その先にはもう少し穏やかな朝の時間が待っているんですよね。
小川: うん、そうですね。子どもが小さい時の朝ってすごくにぎやかで忙しくて慌ただしい時間の流れだったんですけど、子どもの成長とともに、本当に朝、流れる時間が変わってきましたね。
前田: 一時期は、お子さんのために時間をかなり使っていたこともあったんですか?
小川: やっぱり小学校の最後の3年間は、中学受験をしてたこともあって、私自身も仕事をセーブして、今は娘のサポートを優先しようと思い、その時期は親として彼女のためにできることをという思いで過ごしていました。
前田: そう考えると、今高校生になられているということで、時間の使い方もその時と今で変わってきてますよね。
小川: すごく変わりましたね。まだ、たった3、4年前ぐらいなんですけど、あのトンネルを抜けたらこういう時間が待っていたんだなと思うと感慨深いです。
前田: なるほど。時間を得られるようになってきた中で、やってきたことってどんなことがありますか?
小川: 娘の中学受験が終わって中学生になった時に、私はここから「もう一度自分の時間を取り戻したい」という気持ちがすごく強く湧いてきたんです。一つはVoicyを始めたことです。それまでは本当に子どものために時間と体を使ってという日々でしたが、自分の時間の使い方をもう少し自由にできるようになった時に、本を書くということ以外に、新しい挑戦をしてみようって思って、声の活動を始めたのは大きかったかなと思います。
前田: 2022年からVoicyをスタートされているということで、始められる方が今より少ない時期だったのかなって、思うんですけども。
小川: 周囲からすすめられてという形でした。以前は、自分が新しい挑戦をする時も頭で色々考えちゃってたんですけど、なんかこの時は割と素直に、人からすすめられたことはどんどんやろうみたいな感じでした。本当に気軽な気持ちで始めたんですけど、今となっては、始めて良かったなと思っています。
前田: 新しいメディアということもあって、人によってはハードルが高く感じる方もいると思うんですけど、その時の小川さんは、すっと入っていけたんですね。
小川: そうですね。その自分のために新しいことを始めるということが、すごく贅沢なことに感じられたんですよね。それまで子どものためにって思って時間を使っていた何年間があったので。だからタイミング的にも良かったなと思います。
前田: その他に始められたことはありますか?
小川: 自分の体に向き合って、自分の体を大切にしようという意識がますます強くなってきて。ヨガはその前からやってましたけど、ヨガにもより真剣に取り組むようになったし。あとは割と最近なんですけど、ウォーキングを始めました。
前田: ウォーキングは朝、お散歩されてるんですか?
小川: これも子どもが成長したからできている習慣で。子どもは朝早く出ていくので、その後ウォーキングというか散歩に出かけて、その日の気温だったり、季節の移り変わりを植物を見ながら感じたり。本当にこの習慣を始めて良かったなと思っています。
前田: 素敵ですね。健康な体を目指したいというのは、私も年々思っているんですが、例えば毎日ストレッチをしようって思うんですけど、なかなか続かなかったりして。それを完璧にやろうと思うとつらい時があったりするんですけど、やっぱりそういうところでも小川さんがおっしゃったような中庸で無理をしないことも大切なんですかね。
小川: 本当にそう思います。こういうことが健康にいいよって言われると、じゃあやってみようと思って気合を入れて新しい習慣として始めるけれども、そういう時って今までやっていたことは一つ手放すようにしてるんです。増やしていく一方だと苦しくなってしまって。ルーティンまみれっていうのも、それはそれで不健康というか。健康になるためにいろんな新しいことを始めるのに、やらなきゃっていうことだらけになって苦しくなっては本末転倒だと思うので。だから何か新しいことを始める時は、今までやっていたことを一つ手放すとか、休みにする、という風にして、あまり時間の中がいっぱいいっぱいにならないようにしています。

無理をしないことも大切だなと思います

心も体も喜ぶ野菜だけのボルシチ
ゲストにGREEN KEWPIEを使った料理を食べていただく「みんなにうれしいGREEN KEWPIEレシピ」のコーナー。1品目は、野菜が大好きな小川さんが中でも愛してやまないというビーツを使った体が温まるボルシチです。
前田: 題して『心も体も喜ぶ野菜だけのボルシチ』です。
小川: わぁ!うれしい。ビーツ大好きです。
前田: 色もピンクでかわいいですね。
小川: なんで私こんなにビーツがおいしいんだろうって思ったら、まさに私の体を健康へとね、引っ張ってくれるものがビーツなんだなってことがわかって、自分の体が求めてるってことがわかりました。
前田: このビーツのボルシチは、「植物生まれのボロネーゼ」をお肉に見立ててボリューム感と食べ応えを両立しました。
小川: すごい!
前田: 通常だと、パスタにあえたりすることも多いですが、こうやってボルシチに入れることもできるんですね。では食べてみましょう!
小川: ディルがかかっているのがいいですね。ん〜お肉が入ってないとは思えないぐらいしっかりお肉のようなコクが感じられます。
前田: 本当にスープが深い味がして、お肉が入っているような感覚で、でもさらっとした心地よさも同時に感じられる味わいです。
小川: そうですね。コクがあるのになんか、ドスンと重い感じがしないというか、サワークリームとディルもさわやかで、いい仕事してくれていますね。
前田: やっぱりディルが入っていると香りがいいので本当に食事が進みますよね。
小川: うん、おいしいです。
前田: 改めてうかがっていきたいんですが、(お好きだという)ビーツではどんなお料理を作られていますか?
小川: 料理というほどではないんですけど、生でしぼってコールドプレスジュースにして飲んだり、ポタージュにしたり。あとは生ですりおろしてラペみたいにしていただいています。
前田: 生に近い形で食べることも多いんですね。私もポタージュを作ったことがあるんですけど、本当に見た目がかわいらしくて気持ちもうれしくなるのもビーツの良さですよね。
小川: そうなんですよね。ビーツの良さはやっぱりこの色の魅力ですよね。
前田: いつも野菜はどこで買っているんですか?
小川: 私が住んでいるところは、千葉県松戸市という郊外なんですけど、住んでいる地域の周辺に、農家さんの無人直売所が何軒もあるんです。まさに朝ウォーキングをしていると、そこに野菜が100円とかで並んでいるんです。そこにあるものは旬の野菜なので、ある日は、なす、なす、なすときゅうりばっかりみたいな感じだったりするんですけど、そういう野菜を買ってきて、今日はこの野菜で何を作ろうかなみたいな感じです。だから周辺で野菜を買うのがメインですね。
前田: 鎌倉にはレンバイ(鎌倉市農協連即売所)というファーマーズマーケットがあるんですけど、私もそこでの出会いにはワクワクします。スーパーに行くこともあるんですけど、今日は何に出会えるだろう?って感じで直売所に行くのがやっぱり楽しくて。当たり前に何でもあるわけじゃなくて、その時の旬のものがあるっていうのは、出会いがまたうれしいつながりになるなっていう風に思うんですよね。
小川: そうですよね。その時に並んでいる野菜を通して季節を感じるっていう。「これが採れる季節になったんだな」みたいなね。
前田: 季節を教えてくれますよね。そして小川さんにはGREEN KEWPIEの商品を事前にお送りしましたが、楽しんでいただけましたか?
小川: はい。この「植物生まれのごまドレッシング」は、もうあっという間に使い切っちゃいました。
前田: 野菜をよく食べてらっしゃるってことですね。
小川: なすが(直売所に)連日並んでるという時期に、毎日そのなすを買ってきて、魚焼きグリルで焼きなすにして、しそを刻んで、このごまドレッシングをかけておいしくいただきました。
前田: おいしそう〜!その他に気になったものはありますか?
小川: このHOBOTAMAがすごくびっくりして。卵じゃないのに、すごく卵なんですよね。
前田: 色も卵のようですし、食感もですよね。
小川: そうなんですよ。まずは本当にどういう感じなんだろうと思って、シンプルに塩でいただいたんですけど、とっても卵で!これは本当に色々アレンジがしやすそうだし、冷凍庫に常備しておいて、非常食としてもいいなって思いました。
前田: 卵だとやっぱり保存期間に限りがありますけど、冷凍庫で常備しておくことができるっていうのも良さですよね。これからもいろんな料理をぜひ作ってみてください。

野菜を通して季節の移り変わりを感じています

直売所での旬の野菜との出会いもうれしいですよね

自分で自分を幸せにしてあげたい
前田: 小川さん、今日は日々の参考になるようなすてきなお話をありがとうございました。ニュートラルでいるために、いろんなところで調整を重ねてこられたっていうのがとても印象に残りました。小川さんにとって、中庸でいる中で、心が動く、うれしい瞬間ってどんな時ですか?
小川: ハレとケって言葉がありますけど、うれしい瞬間って私の場合、ケの日に感じることがほとんどなんですよね。生活の中の小さな幸せというのを、1日の中でどれだけ見つけられるかということが、私にとってはうれしさだなって思っています。例えば、同じ毎日、ルーティンを繰り返していても、1日として全く同じ日なんてないわけです。昨日とここが違うなとか、散歩していて毎日通っている道でも、あれ?なんか今日はこういうものに出会えたとか、こういう変化に気づけた、みたいなことが、私にとってはうれしい瞬間なんですよね。そういう小さな幸せをどれだけ集められるかが、うれしい毎日につながっていくと思っています。
前田: 小さな幸せと対比するように、大きな幸せといわれるものもあって。20代の頃とかは、私も何か大きな仕事を成しえたとか、何か欲しかったものが買えたとか、そういうことが幸せなのかなって思ってた時期もあったんですけど、そうではなくて、日々の小さなところに幸せを見つけて、それが大きくなっていく。幸せを育てていくようなイメージですね。それだと自分で作っていけるっていうところもいいですよね。
小川: そうですね。本当に自分で自分を幸せにしてあげられるっていうことが、私が目指していることで、うれしいことや幸せなことを周囲や外部から与えられて、ただ受け取るだけではなくて、自分でその幸せのもとを見つけられたら、本当にそれが私にとっては豊かな生活だなと思っています。

幸せのもと、見つけていきたいです

日常の中にこそ幸せはあると思います
私もなるべく中庸でありたいです