家族は社会の最小単位。違いを認めながら共に生きる、中村暁野さんの子育て

家族は​社会の​最小単位。​違いを​認めながら共に​生きる、​中村暁野さんの​子育て

中村暁野さん第3回

前回は、暁野さんがご家族で実践されているプラントベースのお食事についてお話を聞きました。最終回は、これまでも度々お話に出てきたご家族のお話をじっくりうかがっていきます。

※この記事はVoicyの対談の要約です。発言の意味を変えないように配慮して、一部省略・集約をしています。詳しくはVoicyの「 みんなにうれしいGREEN KEWPIEチャンネル 」をお聴きください。

中村暁野

中村暁野

なかむらあきの

文筆家・「家族と一年商店」店主

旦那さん、2人の娘さん、1人の息子さんの5人家族。2017年より東京から少し離れた里山に暮らす。1つの家族を1年間にわたって取材して、1冊丸ごと1家族を取り上げる雑誌『家族と一年誌 家族』を、自身の家族と共に2015年創刊。2021年には暮らしを変える・築くきっかけを生むための小さなお店「家族と一年商店」をオープンさせた。Voicyチャンネル「エシカル暮らしA面B面」では、等身大のエシカルな暮らしを発信する。

家族に​ついて​書き始めたのは​コンプレックスが​きっかけ

1つの家族を1年間にわたって取材して、1冊丸ごと1家族を取り上げる雑誌『家族と一年誌 家族』をはじめ、様々なメディアで“家族”をテーマに執筆をされている暁野さん。まずはその経緯からお話をうかがっていきます。

前田: 暁野さんは、家族をテーマに雑誌や本を出版されていますよね。それはどういうきっかけだったんですか?

中村: 家族というものをテーマにしようと思ったのは、元々自分が家族にコンプレックスを持っていたからなんです。

前田: そうなんですね。

中村: 夫と結婚してすぐに今14歳になる長女が生まれて、「私はこうありたい」とか「こんな家族になりたい」みたいなイメージがすごい膨らんでいたんです。その直後に東日本大震災が起こったのが1つのきっかけでもあったんですけど、夫と自分の違いがどんどんあらわになりすぎて、子育ても大変だし、そんな中夫とは全然理解し合えないし、全然幸せじゃなく感じちゃったんですよ。周りがすごく眩しく見えて、周りの家族は温かくて理解し合って幸せそうなのに、どうしてうちはこうなんだってぐるぐる悩んだりして。その悩みに真正面から向き合ってみたいと思って夫と話し合った結果、家族をテーマに文章を書いていく活動を、雑誌作りを通して始めたっていうのが最初のきっかけでした。

前田: 他の家族を、時間をかけてじっくり見つめるっていうのは、ご自身の家族を考える上でも役に立ちましたか?

中村: 自分が素敵だなと思っていた家族にも、やっぱりいいことばかりじゃなくて、どの家族にも光と影の両方があって。でもそれがあるからこそ、家族っていうのはますます尊いものなんだなって思えたんですよね。人の家族を取材することを通して、自分たちの違いみたいなのにようやく向き合えて、私と夫は違っていいんだと思わせてもらったきっかけになりました。

前田: やっぱり家族の中でも思い通りにならないことが色々あるので、難しさもあると思うんです。ただ、今暁野さんがおっしゃったように、家族だからって“同じだ”というベースがあるわけじゃなくて、違っているという前提で共通項が見出せると、関係ってよくなっていくのかなと思うんですよね。

中村: こんなに違うのに、それでも相手と分かり合いたいと思えて、それが家族なのかなって。私はそれでいいのかなって思えた。もう一生分かり合えないかもしれないけど、分かり合いたいとやっぱり思っている。それってすごく自分にとってありがたいことですし、人と自分が違ってもいいんだっていう気づきになりました。この社会って本当にいろんな人が生きているじゃないですか。いろんな違いがある人たちと、この地球や社会の中で生きていく上で、家族って最小限の社会なんだなと思うんです。まさに多様な生き方を、家族を通して実践させてもらっているような気持ちで今います。

前田: 家族の中で実践したことを社会に照らし合わせてみると、人への接し方にもつながっていきそうですよね。

中村: 家族でもできるんだから、やっぱり社会でもできるんじゃないかみたいに思えるようになってきました。

末娘の実芽(みめ)ちゃん0歳。Voicy収録中は暁野さんの腕の中でぐっすり

前田: 今、暁野さんのご家族には生まれたばかりの小さなお子さんもいらっしゃいますが、家族を通した研究をされていく中で、関係性は変わっていきましたか?

中村: 長女が今14歳の思春期で、今までとはまた違ったビッグウェーブが来ていましてですね。

前田: うちの子まだ小学生なんですけど、思春期が来るのが怖いです(笑)。

中村: だいぶどんな荒波も乗り越えてきたと思っていた夫と私も、この2年ぐらいはもう打ちひしがれる日々が続いていたんですけど、でも2年ぐらいたって、その波も越えたんですよ。「明けない夜はない」という言葉をこんなに体感する日が来るとは思いませんでした(笑)。いつまでたっても思い通りにはいかなくて、いつまでたっても学びがあるものが家族なのかなって思います。

前田有紀

家族でも違うという前提で共通項を見出せると関係がよくなりそうですね

中村暁野

家族でもできるんだから、社会でもできるんじゃないかと思えるようになってきました

子ども​たちも​大満足!​なじゃが​ボロネーゼ

ゲストにGREEN KEWPIEを使った料理を食べていただく「みんなにうれしいGREEN KEWPIEレシピ」のコーナー。3品目も、プラントベースのレシピを暁野さんが考えてくれました。作り方はシンプルながら食べ応え抜群でコク深く、子どもたちも大満足の一品です。

前田: 今回もありがたいことに、暁野さんがGREEN KEWPIEを使ったレシピを考えてくださいました。今回の料理名もご紹介いただけますか?

中村: 『子どもたちも大満足!なじゃがボロネーゼ』です。

前田: おいしそう〜。こちらはどんなものが入っているんですか?

中村: すごくシンプルで、じゃがいもとローズマリーに「植物生まれのボロネーゼ」をあえただけというレシピです。

庭で育てた摘みたてのローズマリーを飾りに

前田: お子さんたちにも食べてもらったんですよね。

中村: はい。最初はパスタでおいしくいただいたんですけど、このボロネーゼが一番大好評で、おいしいおいしいと言いながらいただきました。本当にお肉が入っているかのような食感と深い味わいで、これは(プラントベースだと)言われなかったら誰も気づかないんじゃないかなっていうぐらい、完全なボロネーゼでした。

前田: 本当に食べ応えがある一品ですよね。今回のメニューにも、味付けは「植物生まれのボロネーゼ」を使われたということですね。ローズマリーがのっているのもいいですね。じゃあ一緒に食べましょう!じゃがいもがすごくホクホクしていておいしいですし、そのまわりにしっかりとボロネーゼのソースが絡んでいて、本当に食べ応えがありますね。

中村: 冷めてもしっかりとおいしいので、お弁当にも入れています。

前田: 暁野さんはその他にGREEN KEWPIEの商品をどんな風に使われましたか?

中村: このボロネーゼだけじゃなくて、「植物生まれのカルボナーラ」とか、「植物生まれのパスタソース たらこ風」とか色々商品をいただきました。プラントベースに移行しても「あれが食べたい!」みたいなことってやっぱりあるんですよね。そこをさらっとかなえてくれる。しかもあえるだけで食べられるっていうのが、日本でもこんな商品が出たんだ!ってびっくりでした。シンプルにパスタをゆでて、ボロネーゼとたらこ風、カルボナーラをあえて、家族で「どれが食べたい?」「全部これ植物性なの!?」とか言いながら食べた時間もとっても楽しかったです。

前田: よかったです。プラントベースを実践されている暁野さんにとっても、使いやすくて楽しめるものだったというのがすごくうれしいです。

前田有紀

じゃがいもにボロネーゼ風が絡んで、本当に食べ応えがあります!

中村暁野

冷めてもしっかりおいしいのでお弁当にも入れています

前田: 暁野さんはそれぞれ年の離れた3人のお子さんを育てていらっしゃいますが、子育てをする中で大切にされていることってありますか?

中村: 今14歳、7歳、0歳という年の差で子どもたちを育てていて、ずっと大事にしているのは正直でいることですね。小さい子だったらまだしも14歳がいるので、もう騙せないっていうか。子どもに何かを隠すとか、お母さんとしてはいい姿を見せて、隠れてこそこそっとお菓子を食べるみたいなことはしないようにしていて。人として頑張っている部分も、頑張っても至っていない部分もある意味さらけ出して、共に生きるみたいなことを心がけています。

前田: なんかすごく共感できるなと思いました。母の世代だと家事を完璧にこなしている人も多いけど、自分はなかなか家事にも手が回らない中で、完璧じゃなくてもいいやと思えてからすごく楽になったので、改めて正直でいることを大切にしたいなと思いました。

今​自分が​持っている​尊い​ものを​実感​できた​時が​うれしい

子どもたちに対しても、自身のいいところもあまりよくはないところもさらけ出しているという暁野さん。同じく、日々忙しく働く母親である前田さんもそのお話に深く共感します。話題は、引き続き子育てについて。

前田: 暁野さんが子育てをする中で、どんな瞬間にうれしいを感じるか教えていただけますか?

中村: 子育てをしていると、ないものねだりになってしまって。この前も10分も一人でお風呂に入れなくて、それができないことがすごく悲しくなってしまった夜があったんです。でもふっと見方を変えてみて、自分が今持っているものを見てみようと思ったんですね。お風呂に10分一人で入ることは私は今できないけれど、その代わり両サイドに子どもたちがぎゅうぎゅうといて、こうやって温もりを暑いほどに感じながら一緒に寝るっていうのは、私が今持っているとっても尊いものだなと。そう思ったら、自分はいっぱい幸せなものを持っているなと思って、そんな風に思えた時がうれしいです。いつも自分が今何を持っているかなと考えたら、私は実はいろんな夢をかなえられていて、「(夢に)描いていたことがこの手にあるんだな」と思えるので、そんな瞬間にうれしいなって思いますね。

前田: 素敵なお話をありがとうございます。お話の中でもあったように、家族っていうのは社会の最小単位で、家族の中でも違いが色々あって、それを認め合えることで、また自分が社会に出た時に人との関係がよりよくなっていくのかなと思いました。改めて自分の家族についても、そしてその周辺の大切な人たちとの関係も見直していきたいなと思います。最後に暁野さんにうかがいますが、これからどんな社会になっていってほしいと考えていますか?

中村: 子どもが大切にされる社会になってほしいなと思います。私が暮らしを見直そうと思ったきっかけをくれたのも、まだ幼かった娘ですし。子どもが言ってくれる言葉を大人はついつい流して、大人の社会の忙しなさにどんどん飲み込まれていってしまっているんじゃないかなと思うんですけども、私たち自身も本当に幸せに生きていくために、小さな人たちの存在にもっと寄り添って、そんな声をちゃんと聞けるような社会になってほしいなって思います。

前田: 私たちの言葉や行動が小さな子どもたちにも誇れるものであるように、そういう社会にしていかなければいけませんね。

中村暁野

子どもの声をちゃんと聞ける社会になってほしいです

前田有紀

私たちの言葉や行動が子どもたちに誇れるものでありたいですね

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前田有紀
ナビゲーター/前田有紀
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