キユーピー マヨネーズ

広がるマヨストーリー 02

完成された商品と思われがちですが、
できることはまだまだあります。

2023.01.26

研究開発本部 食創造研究所 市販用開発部

Oguchi Kaori

入社して研究開発部門でマヨネーズの乳化を研究した後、お客様相談室に異動し技術情報をお客様にわかりやすく伝える業務を担当。その後、中国向けマヨネーズの開発を経て、家庭用マヨネーズの研究開発担当に。

  • 研究と改良を繰り返し、
    マヨネーズは
    進化し続ける。

    私は研究者として、キユーピー マヨネーズを含む家庭用マヨネーズの基礎研究や商品開発に取り組んでいます。キユーピー マヨネーズはロングセラー商品なので、「もう何もやることはないのではないか」と思われがちですが、実は進化し続けています。
    例えば、賞味期間。発売当初は、瓶の容器でしたので外から酸素が入ってきにくく、味が落ちたり、色が変わったりすることは抑えられていました。その後、1958年にポリボトル容器に変更。それ以来、キユーピー マヨネーズの酸素との戦いが始まりました。
    ポリボトルは酸素を通しやすいので、酸素を通しにくい多層構造ボトルを開発。 その後も、ボトル口部にアルミシールを採用し、口部に残る空気を窒素に置き換えました。 2002年には「おいしさロングラン製法」によって、原料である植物油に残る酸素を取り除き、賞味期間を10カ月まで延ばすことができました。
    それでも改良は続きました。製造工程中の酸素をさらに取り除くことを実現し、賞味期間は現在、12カ月にまでたどり着いています。私は入社して20年ほどになりますが、入社するずっと前から始まった酸素との戦いは今なお続いています。

  • お客様の健康観の
    変化を受け止め、
    機能性マヨネーズを次々と。

    研究部門はお客様と直接関わることのない部署ですが、私たちはお客様のお困りごと、望まれていることを常に意識して仕事をしたいと考えています。当社ではお客様の声を社員全員が見ることができるので、担当商品に関するものは全て目を通しています。
    また、同じテーマを定期的に調査することでお客様の意識の変化を把握することも行っています。
    最近ですと、健康観がだいぶ変わってきていると感じています。キユーピーが健康に配慮した商品として最初に開発したのは、「キユーピーハーフ」というカロリーを50%カットした商品でした。その後、カロリーだけではなく、血圧や内蔵脂肪を気にされている方も増えてきたため「機能性表示食品」として、血圧が高めの方のための「アマニ油マヨネーズ」※1や、内臓脂肪を減らす「キユーピーフィッテ」※2を開発してラインアップに加えました。
    また、卵アレルギーが気になる方にもマヨネーズを楽しんでいただくために、卵を使っていない「キユーピーエッグケア」を開発。マヨネーズが食べられないお子様がいらっしゃるご家庭や給食などにお使いいただいています。
    何か課題があってマヨネーズを使うことを諦めてしまわれることが、私たちとしてはとても残念でなりません。その課題を少しでも解決して、召し上がっていただけるようにする商品を今後も開発していきたいと考えています。

    • ※1 「アマニ油マヨネーズ」:本品にはα-リノレン酸が含まれます。α-リノレン酸には血圧が高めの方に適した機能があることが報告されています。
    • ※2 「キユーピーフィッテ」:本品にはローズヒップ由来ティリロサイドが含まれます。ローズヒップ由来ティリロサイドには内臓脂肪を減らす機能があることが報告されており、BMIが高めの方に適しています。
  • マヨネーズの
    機能を発掘して、
    根拠とともに発信。

    商品開発以外で研究者が力を入れていることの1つが、マヨネーズの機能を科学的に実証して、みなさんに発信することです。
    最近では、「焼いたマヨネーズがおいしい理由」について研究結果を発信しました。コーンパンなどマヨネーズをかけて焼いたパンは、独特の香ばしさと味が押し寄せてきますよね。私たちも経験的には分かっていましたが、科学的に実証したことはありませんでした。
    そこで、焼くことで成分や香り、味はどう変化するのかを分析したところ、コクやうま味、香りの数値が上がることが実証されました。今は、そのおいしさの根拠と合わせて「マヨ焼き」のメニューを発信しています。
    「マヨ焼き」の調理法は本当にシンプルです。きのこや野菜などにマヨネーズをかけて焼くだけで、とてもおいしくなります。マヨネーズを線がけして焼くと見た目もキレイですし、それだけで一品完成。忙しい時にもぴったりです。

  • 「宇宙マヨネーズ」など、
    マヨネーズの
    可能性は無限に。

    宇宙開発の研究をしているJAXA(ジャクサ)で「宇宙日本食」という取り組みがありまして、キユーピーも参加しています。キユーピー マヨネーズ50グラムを宇宙に運んでもらって、野口聡一さんなどの宇宙飛行士の方々に召し上がっていただいています。
    宇宙という過酷な空間でも品質を保てるかを調査したり、「宇宙日本食」として求められる賞味期間1.5年以上に耐えられるよう工夫をこらすなど、賞味期間を延ばす研究にも役に立っています。 今後は一般の方も宇宙に行くようになると思います。そんな未来のことも考えて取り組んでいます。
    「宇宙日本食マヨネーズ」を担当する中で特に印象に残っているのは、宇宙船の中でマヨネーズが浮かんでいる写真を見せていただいたことです。一瞬、合成じゃないかと思っちゃったんですけど(笑)。とても感動しました。

    マヨネーズは、合わせる食材によっていろんな顔を見せてくれます。邪魔し過ぎないし、主張してくることもあります。とても不思議です。使い方も可能性もどんどん広がっていく。また、お酢と塩の力で、常温でも1年も日持ちします。まさに「奇跡的な食品」だと、私は思っています。

  • 小口かおりさんの
    イチオシレシピ!

    「オクラの和風マヨネーズ和え」です。①オクラ1パックをゆでる。②1cm幅に小口切りにする。③マヨネーズ大さじ1、醤油(お好みの量)、かつお節(お好みの量)で和える。かつお節をたっぷり入れてマヨネーズと混ぜるのがオススメです。ツナを入れているような満足感のある仕立てになります。