広がるマヨストーリー 11
「マヨネーズ教室」で子どもたちに
食の楽しさ、大切さを伝えていきたい。
広報・グループコミュニケーション室
社会・食育チーム
研究所で卵加工品の開発を10年間担当した後、見学施設「マヨテラス」でお客様をアテンドするコミュニケーターに。広報・グループコミュケーション室に異動し、キユーピーの社会活動・食育活動を担当している。
「食で健康に貢献したい」
という想いから入社。
食育活動の担当へ。
私は大学で管理栄養士の勉強をしていたので、食を通じて健康に貢献できる会社で働きたいと考えてキユーピーに入社しました。最初の10年間は研究所で商品開発を担当。その間に出産もして今3人の子どもがいますが、食への興味はさまざまです。それを日々実感しているうちに、もともと食を通じた社会貢献がしたいと考えていたこともあり、「多くの子どもたちに食の大切さを伝えたい」という気持ちが大きくなっていきました。
そんな時に「マヨテラス」という、マヨネーズに関する情報を楽しく学べる見学施設が東京・仙川にオープンすることを知り、「そこで働きたい」と思い異動を希望。お客様をアテンドする「コミュニケーター」になることができました。3年間務めた後、広報・グループコミュニーション室の社会・食育チームへ異動し、今は小学校への出前授業「マヨネーズ教室」などを担当しています。
1件の相談をきっかけに、
20年で全国へ広がった
「マヨネーズ教室」。
キユーピーの創始者である中島董一郎は、日本人の体格向上を願い、卵黄タイプで栄養価の高いマヨネーズを製造・販売するなど、「食を通じて社会に貢献したい」という想いを胸に事業に取り組みました。キユーピーの食育活動はそんな中島の強い想いのもと、日本人の健やかな食生活の実現をめざして、食の楽しさ、大切さを伝える活動として始まりました。現在では講演会、工場見学、出前授業など、幅広く食育活動を展開しています。
私が担当する「マヨネーズ教室」は、子どもたちに食の楽しさや野菜を食べることの大切さを伝えることを目的としたもので、ご要望をいただいた小学校へ従業員自らが出向いて授業を行う食育活動です。
2002年に山形市の小学校から「授業をやってもらえませんか」というご相談をいただいたことをきっかけに始まりました。実際に授業をやってみたところ、子どもたちがうれしそうに参加してくれて、参加した従業員もすばらしい活動だと実感したことから、「もっと多くの子どもたちに喜んでもらおう。従業員にもこの感動を体感してもらおう」という想いが生まれ、以来、少しずつ開催件数を増やしていきました。
評判が口コミで広がり、約20年の間に全国各地で開催されるようになり、コロナ下前は毎年400件ぐらい実施。コロナ下の間は対面での授業は中止したものの、今は首都圏を中心に再開し、今年は100件ほどの開催になる見込みです。
マヨネーズ作りで、
野菜を食べる大切さを
楽しく学習。
「マヨネーズ教室」ではクイズも出しながら、野菜を食べることの大切さや、身近な食品であるマヨネーズがどのようにして作られているかを、私たち従業員が講師となり分かりやすく、楽しく説明していきます。
授業を聞いているうちに、子どもたちはだんだんマヨネーズで野菜を食べたい気持ちが盛り上がっていき、 いよいよマヨネーズ作りに挑戦。まず私たちがお手本を見せた後、3、4人のグループを組んでもらいます。みんなで協力してかき混ぜて、全部のグループがマヨネーズを完成した時はみんなで大喝采です。試食の野菜はきゅうりにすることが多いのですが、「苦手」と言っていた子も楽しくなり、「食べちゃった!」と笑う姿は、よく目にする光景です。
私も明日、授業をしに行くんですよね。準備のために1時間前に学校に入るのですが、廊下ですれ違う子が「あ、キユーピーだ!後でね!」「楽しみにしてるよ!」などと声をかけてくれるんです。キユーピーのイラストが描かれたエプロン姿で準備をしているから、授業をしに来た人だとすぐ分かるようで、みんなワクワクしてるんです。私たちまでうれしくなります。
クラスメイトの話が、
野菜への苦手意識を
変えるきっかけに。
「マヨネーズ教室」では毎回、「どの野菜でも食べられる子は?」と聞いて手を挙げてもらうのですが、苦手な野菜がある子のほうが多くて。好きな野菜も同時に聞くのですが、それを聞いた子どもたちは「自分が苦手な野菜を友達は好きなんだ」、「そんな料理で食べているんだ」など、自分が知らなかったことを知ることができます。例えばトマトが好きな子に「おすすめの食べ方は?」と教えてもらうと、トマトが苦手な子は「あの子、トマト食べられるんだ!」「そんな食べ方はしたことないな」と、ご家庭では経験できない気づきを得ることができます。
この1回の体験で野菜の苦手意識が変わるとは私たちも思っていませんが、ずっと「絶対に食べたくない」と思い続けるのではなく、その野菜を目にした時、「そういえばあの子、好きって言ってたな」、「この料理のこと、話してたな」、そんな思い出が一緒によみがるかもしれません。それが食べてみるきっかけになり、いつかは苦手な野菜も食べられるようになってくれたらいいなと期待しています。
質の高い授業を行う
講師を育てる
認定制度「マヨスター」。
「マヨネーズ教室」は、子どもたちにとっては一生に1度の思い出になるものです。実際、卒業する6年生が小学校生活で一番楽しかった行事として「マヨネーズ教室」と答えた子がいたという話も聞いています。
それだけに、責任を持って質の高い授業ができる従業員に開催してほしいという想いから、2013年度に「マヨスター」という社内認定制度を導入しました。「マヨスター」の由来である「マイスター」は名人や巨匠を意味しますが、マヨネーズの魅力や食の大切さをしっかり伝えられる講師を育てようということで、この名称となりました。
「マヨスター」は、これまで培ってきた教室運営のノウハウを学んだ上で、授業の講師や「マヨスター」を目指す候補生の育成などを担います。合格した全国約260人の「マヨスター」が授業を行うことで、どこの地域、どの「マヨネーズ教室」でも、内容や質が変わらない授業が行えるようになっています。
ただ「マヨスター」になるには段階があるため、業務の合間を縫って勉強したり、候補生として複数回教室に参加する必要があります。ですから「マヨスター」になっている方は、みなさん熱意のある方ばかりです。
磨き上げてきたものを
大切にしながら、
さらに進化を。
「マヨネーズ教室」は20年以上も前から先輩の方々がずっと磨き上げてきたものなので、これからも大切に続けていきたいという想いがあります。そして、時代に合わせて進化させられるところは少しずつ進化させたいと考えています。2022年からは新たな出前授業として、食と環境の大切さを伝える「SDGs教室」を始めました。SDGsの17の目標のうちの「12 つくる責任 つかう責任」をテーマに、食品ロスなどへのキユーピーの取り組みを紹介しながら、子どもたちに「自分たちにもできることは何だろう?」と考えてもらう授業です。こちらも従業員が講師となり、小学生の学年に合わせた内容で授業を行っています。出前授業は、従業員が食育活動に直接関わることができる貴重な機会ですので、活動の輪をさらに広げていきたいと思います。
私はいま会社の中で、食育に携われていることに、とてもやりがいを感じています。たくさんの子どもたちと直接触れ合い、笑顔やおいしそうに食べている姿を見るだけで励みになります。マヨネーズ教室で出会う子どもたちみんなが、生涯を通して食べ物と良い関係を築きながら育ってほしいなと思っています。
羽生田雅子さんの
オススメレシピ!
学生時代にアルバイトをしていたレストランのマスターに教わったタルタルソースです。ゆで卵スライサーを3方向から使うことで、大きさのそろった立方体の白身が作れることに、当時の私は目からうろこでした。黄身と白身、辛みを抜いた玉ねぎ、パセリ、ピクルスのみじん切りを、たっぷりのキユーピー マヨネーズで和えます。手作りタルタルソースがあれば、どんな料理もごちそうです!