にんじんサラダの基本
にんじんをまるごとたのしむ
にんじんは、鮮やかなオレンジ色が特徴で、料理の彩りにぴったりの野菜です。シャキシャキした食感や、やさしい甘みで、サラダの主役にもなります。
また、加熱すると甘みが引き立ち、やわらかな口あたりで違ったおいしさが楽しめます。
にんじんサラダのレパートリーが広がる、まるごとおいしくたのしめるポイントをご紹介します。
にんじんの収穫時期の違い
私たちがふだんよく食べているオレンジ色のにんじんは、「西洋にんじん」と呼ばれる種類です。今では品種改良が進み、「春夏にんじん」「秋にんじん」「冬にんじん」として1年中楽しめます。冬には、雪の下で貯蔵して甘みを引き出した「雪下にんじん」も販売されています。
にんじんは、βカロテンがとても豊富で、その「カロテン」の名前は英語の「キャロット」が語源になっています。
他にも、お正月料理や関西の冬の料理に欠かせない赤くて細長い「金時にんじん(東洋系にんじん)」など、種類によって味や色の特徴が異なります。
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西洋にんじん
春夏にんじん
4~7月ごろに出回り、水分も多くみずみずしくやわらかいので、生で食べるサラダに向いています。
秋にんじん
8~10月ごろに出回り、ほどよくしっかりとした食感で、生のサラダにも、加熱したサラダにも使いやすいのが特徴です。にんじんの甘みをしっかり感じたいときは、加熱して使うサラダがおすすめです。
冬にんじん
11~3月に出回り、寒さから身を守るために糖度が上がり、甘みがしっかりしているのが特徴です。寒い時期は成長がゆっくりなので、身がしっかりとしていて、加熱して作るサラダに向いています。
にんじんの選び方
軸が細いものを選ぶ
軸の太さと芯の大きさは比例しています。軸が太いものは芯も大きくかたくなり、軸が細いものは芯も小さいので全体的にやわらかく食べやすいです。
全体的にオレンジ色が濃くツヤのあるものを選ぶ
表面にツヤがあり、しっかりとオレンジ色になっているものは順調に育った証です。葉のつけ根部分の周辺が緑っぽくなっているものは日焼けしている場合があり、表面が黒っぽくなっているものは酸化が進んで、味が落ちている可能性があります。
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ツヤがあり、しっかりとオレンジ色になっているにんじん -
葉のつけ根部分の周辺が緑色だったり表面が黒く酸化したにんじん
ずっしりと重いものを選ぶ
持ったときにずっしりと重みがあり、みずみずしいものを選びましょう。重いものは水分が多く、甘みもしっかりしています。反対に、軽いものは中に空洞があったり、乾燥していることがあるので注意しましょう。
にんじんの保存方法
1本まるごと保存する場合
にんじんは水分がついたままだと腐りやすくなりますが、乾燥にも弱い野菜です。保存するときは、1本ずつキッチンペーパーで包んでポリ袋や保存袋に入れ、野菜室で立てて保存すると、2~3週間ほど日持ちします。
また、成長点である軸の部分を切リ落として保存するとより長持ちします。
むきだしのまま保存すると、しなびて黒ずんだりすることがあるので注意しましょう。
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成長点である軸を切り落とすと長持ちする -
キッチンペーパーで包んで保存袋に入れ、立てて保存
カットしたものを保存する場合
切り口にラップをしっかりと密着させ、冷蔵庫で保存します。できるだけ早く(約2〜3日ほど)使い切りましょう。軸のある方から使うと成長点を止めることができ傷みにくいです。
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切り口にラップを密着させる
冷凍保存する場合
千切りや細切りにしてから水気をよく切り、冷凍保存袋に入れて平らにして、空気を抜いて冷凍すると約3~4週間保存できます。
サラダに使う時は、凍ったままドレッシングとあえると味がよくしみ込みます。加熱調理の場合も、解凍せずそのまま使えます。
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保存袋に入れ、平らにして空気を抜く
にんじんの切り方
にんじんの皮は薄く、出荷前の洗浄で皮がむけていることが多いため、基本的には表面をむかずにそのまま使っても問題ありません。
皮ごと使うことで、食物繊維やβ-カロテンを多く摂ることができ、調理時間も短縮にもつながります。
ただし、輸送や保存の間に表面が乾燥し硬くなることがあり、食感が悪くなったり色も悪くなる場合もあります。生で食べるときに表面の硬さが気になるときや、見た目をよりきれいに仕上げたいときは表面をむいて使いましょう。
繊維を断ち切ってせん切り
ドレッシングがよく絡み、味なじみがよく、サラダに向いています。切り始めに斜めに包丁を入れることで、繊維が断ち切られ、ほどよい食感が残ります。
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斜めに、1〜2mm程度の厚さで切っていく -
斜め薄切りにしたものを整える -
端から1〜2mm程度の幅で切っていく
繊維に沿って細切り
ナムルなど、歯ごたえのいい食感にしたい場合は、繊維に沿った細切りがおすすめです。
まず4〜5cmの長さに切り、切り口を下にして繊維に沿って3mm幅に切ります。切ったものをずらしながら重ねて、さらに1mm幅の棒状に切ります。
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4cmの長さに切る -
切り口を下にして繊維に沿って3mm幅に切る -
少しずつずらして重ね、端から1mm幅の棒状に切る
ピーラーで切る
包丁を使わないので、初心者の方でも簡単に調理することができます。薄く幅のある形に仕上がるため、ドレッシングがよくなじみ、食感も楽しめるのでサラダに向いています。
スライサーで切る
包丁でのせん切りが難しい場合は、スライサーを使うと簡単にせん切りにすることができます。手に力を入れず、指先が刃にあたらないよう充分気をつけて使いましょう。
にんじんの加熱方法
にんじんは、生ならではのシャキシャキとした食感とやさしい甘みを楽しめる一方で、加熱すると甘みが引き立ち、また違ったおいしさが味わえます。
ここでは、3つの加熱方法(電子レンジ・ゆでる・焼く)をご紹介します。
電子レンジで加熱する
にんじんを電子レンジで加熱すると、甘みが増してやわらかくなり、とろっとした食感に仕上がります。
カットしたにんじんを加熱するときは、耐熱容器に入れて均等に広げ、ふんわりとラップをかけて加熱します。
加熱時間の目安:にんじん1本分(約180g)のせん切りの場合、600Wで約2分30秒加熱
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均一に広げてふんわりラップをする
1本まるごと加熱する場合は、にんじんに直接ラップを巻いてそのまま加熱します。
加熱時間の目安:にんじん1本分(約180g)の場合、600Wで約6分加熱
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1本まるごとの場合は直接ラップを巻く
鍋でゆでる
ゆでると甘みが引き立ち、しっとりとやわらかく仕上がります。たっぷりのお湯でゆでることで、全体にムラなく火が通り、ジューシーな食感になります。色も鮮やかなオレンジ色になり、失敗が少ない調理方法です。
フライパンで焼く
にんじんに焼色がつき、香ばしく仕上がります。
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