なすのサラダの基本

なすをまるごとたのしむ

なすは約90%が水分でできた野菜で、スポンジ状の実は、塩もみすれば簡単浅漬け風のサラダに、加熱するととろりと柔らかな食感になります。炒め物や焼き物の印象が強いですが、いろいろな使い方があり、生で食べたりサラダ等でも楽しむことができる万能食材です。

なすについて、知っておくとさらにおいしく、まるごとたのしめるポイントをご紹介します。(ここでは一般的な千両なすについてご紹介します)


なすを選ぶ

鮮度の良いなすは水分をしっかり蓄えており、みずみずしい食感を味わうことができます。新鮮ななすの選び方をご紹介します。

皮にツヤとハリがあるものが新鮮

皮の表面にハリとツヤがあるものは収穫から時間が経っておらず新鮮です。鮮度が落ちてくると皮表面の光沢がなくなり、乾燥してハリもなくなります。

  • 皮の表面にハリとツヤがあり、紫色が濃いなす
  • 乾燥して光沢・ハリがないなす

紫色が濃いものがおいしい

なすは紫外線にあたると紫色になります。濃い紫色のなすは太陽の光を浴びてしっかり育った証拠です。

  • 紫色が薄いなす

ガクと実の間が白いのは、朝採りの証拠

ガクと実の間が白くなっているなすを見かけることがありますが、これは朝早くに収穫された証拠。夜に成長した部分が日光に当たる前に収穫されたため白くなっています。
なすは高温になる日中に水分が蒸発しやすいため、水分が蒸発する前に収穫した朝採りのものがおすすめです。
また、ガクの切り口がみずみずしいもの、トゲがある品種はトゲがしっかりしているものが新鮮です。

  • ガクと実の間が白いなす
  • ガクの切り口がみずみずしいなす

比べて重いものを選ぶ

なすは水分の多い野菜です。同じ大きさであれば水分を多く蓄えている重いものを選びましょう。
袋入りの場合は一袋の重さが揃うよう袋詰めされているので、なすが大きすぎないものを選びましょう。

なすを品種で選ぶ


なすの保存方法

インド東部が原産地といわれるなすは、温かい気候を好み、寒さに弱いため、保存する際に冷やし過ぎないことが重要です。

5℃以下になると低温障害を起こし、変色したりしなびてしまうので、基本は常温で保存し、夏場(もしくは15℃以上)は冷蔵庫の野菜室で保存します。保存する際は1本ずつラップで包み保存袋に入れて、3~4日で使い切りましょう。

  • 1.ラップで1つずつ包む
  • 2.さらに保存袋に入れる

しなびたなすを復活させるには

なすは水分が抜けてしまうと、ハリがなくなり、しなびた状態になります。
しなびてしまった場合は、ヘタを切り取りたっぷりの水につけ、約5時間ほど浸けておきましょう。なすに水分が戻りハリが出ます。(なすが水に浮いていても切り口から水分を吸収するので、重しをのせたり、途中で裏返すは必要ありません)

  • ヘタを切り取り、約5時間水に浸す

種が黒くなっても食べられる

なすを切ったときに見える粒は、なすの種です。種が黒くなる理由は、収穫から日が経ち種が熟してしまったため、または低温障害が原因である場合もあります。見た目は悪くなりますが食べることができます。

  • 黒くなったなすの種(輪切りしたなすの断面)

なすのヘタとり・皮むき

ヘタとり

ヘタに近い果肉の部分は、特に食感がなめらかで甘みがあります。ヘタはぎりぎりを切り落としましょう。鉛筆を削るようにガクの部分をそぎ落とすと果肉を残すことができます。

皮むき

なすの皮にはポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれており、栄養価の面では皮ごと食べることをおすすめしますが、塩もみをして生で食べるサラダや浅漬け、加熱料理でとろとろ食感に仕上げたい場合などは、皮をむいて料理することもあります。

なすの皮は固くツルツルしているため包丁でむくことが難しいときは、ピーラーを使いましょう。
むいた皮も捨てずに、レンジ加熱し、ごま油と醤油であえてナムルにしてもおいしくいただけます。

縞模様に皮をむく

縞模様に皮をむくことで彩りがよく、味も浸透しやすくなります。
皮の色目は残しつつ早く味をしみこませたい時や火の通りを早くしたい時にはピーラーで縦の縞模様にむくのがおすすめです。


なすのアク抜き

なすはアクが強く、切ったまましばらく置くと切り口が変色したり、えぐみが出て味も落ちてしまいます。
そのため、切った後水にさらす「アク抜き」が料理の工程に含まれていることがありますが、なすに含まれる成分や栄養素は水に溶けやすい水溶性のものが多く、アクを抜きすぎるとうま味や栄養素も抜けてしまいます。また料理によってはアク抜きしない方が良い場合もあります。料理に合わせたアク抜きをしましょう。

漬物や煮物など色よく仕上げたい場合は、水につけてアク抜き

切ったなすを約10分水にさらすことで変色しにくくなります。さらにきれいに仕上げたい場合は塩を0.5~1%ほど入れた水にさらします。

マリネやラタトゥイユなど下味をつけたい場合は、塩をふってアク抜き

切ったなすをボウルに入れて塩をふり、全体に塩がいきわたるように混ぜます。約10分ほどおくと切り口から水分が出てくるので、キッチンぺーパーで水分を拭き取りましょう。水分が出ることで味がなじみやすくなり、水分と一緒にアクも抜けます。

  • なす全体に塩をふり混ぜる
  • 10分ほどおくと、なすから水分が出てくる
  • キッチンペーパーを使って水分を拭き取る

フライパン焼きや揚げ焼きなど油を使った料理の場合は、アク抜きなし

なすはできるだけ加熱の直前に切り、すぐに調理をしましょう。アクは油と合わさることでおいしさになるので、アク抜きをする必要はありません。


なすの加熱方法

炒め物など加熱調理との相性がよいなすですが、料理に合わせて加熱方法を変えると、より味と食感が引き立ちます。
また、加熱することでなすの皮の色が抜けてしまったり、油を吸いすぎてギトギトになってしまうといった失敗を防ぐコツもご紹介します。

フライパンで加熱する場合

フライパンに油を入れて熱したら、なすの皮面を下にして、皮から焼くことで色よく仕上がります。皮に火が通ったら他の面も焼き、全体が柔らかくしんなりし果肉の白い部分が透き通ってきたら、なすに火が通っている印です。

  • なすは皮面から焼く
  • なす全体に火が通った様子

なすに油をあまり吸わせたくない場合は、調理したい大きさに切った後、焼く前に電子レンジで加熱することで油を吸いにくくなります。また、なす全体に油をからめてから加熱しても、少量の油でおいしく仕上げることができます。

なすは油を吸っているところ、吸っていないところとムラになってしまうことがよくありますが、油を足さずに、全体に火が通るのを待ちましょう。全体に火が通ってくると、なすから水分が出て油もなじんできます。油を足し過ぎるとべちゃっとした仕上がりになってしまうため注意しましょう。


味付けのコツ

生で食べるときは、塩もみしてから味付けする

なすは水分が多いので、下味をしっかりつけるために切った後に塩もみし、少し水分を抜いてから味付けすると、中まで味が浸透しやすくなります。

加熱して食べるときは、加熱後すぐに味付けする

なすを加熱したマリネや甘酢漬けは、加熱後すぐに調味料と合わせることで味が浸みこみやすくなります。


盛りつけのコツ

なすの皮面の紫色と果肉の白い色のバランスを考えて盛りつけましょう。
皿に盛りつける際には、少し余白を取って盛りつけるとよりおいしそうに見えます。


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